現代日本に生まれてよかった!?

意外に残酷なその成り立ち夏の漢字怪談で涼んでみる?

2007.07.26 THU



イラスト:藤田俊男 『新訂 字統』(白川静/平凡社)をもとに作製
古来より『あなたの知らない世界』や稲川淳二の怪談話で、夏の暑さをしのいできた我々日本人。今年もそろそろ新しいクワイダンで身の毛を“よだたせたい”ころ合いです。

さて。普段あなたがよく目にし、何気なく使っているものに、おそろしい因縁が潜んでいたと聞かされたらいかがでしょうか。

そのものとは、漢字。

「例えば『賢』という漢字。古い字形では『貝』のない形だったのですが、これは目(臣)を手(又)で刺すさまをかたどったもの。古代中国では多才な人間の目を潰し、神に仕える奴隷(臣)としたそうです。ゆえに“賢い”と」。そう語っていただいたのは、文字学の大家・白川静氏の字源辞典『字統』を発行する平凡社編集部。

こんなの知ったら、会社で「賢いね」なんて褒められてもフクザツな気分です。

「白川先生によると『民』も『賢』と同じ目を刺す形で、視力を失わせて神の奴隷としたことから生まれたそうです」

も、もう目はやめてくださいっ。

「では『道』という字になぜ『首』が入ると思いますか? 実は異族の生首で外界の地を祓い清めたもの、それが『道』だというわけです。その生首を手(寸)で持って道を切り開くさまが『導』。魔よけとして逆さの生首(県)を木(系)に吊しておくのは『懸ける』の元の字である『縣』なんです」

うぬぬ…広い中国、首がいくつあっても足りませんよこりゃ。

「紀元前16世紀の中国で生まれた漢字が、3500年の時を経た現代でも、ほとんど形を変えず、当時の意味を一部残して生き続けている。いわば古代人の呪いがまだ続いてるといえるかもしれませんね」

最後にせめて明るめな漢字の由来を…。

「では『幸』。実はこれ、手かせをかたどった文字なんです。それがどうして幸せかというと、死を免れて手かせで済んだから」

そりゃ目潰しや打ち首よりはマシですけども…。字源辞典を読めば賢そうな怪談レパートリーが増えますよ。


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