パックの刺身から出る赤い水の正体は…

解凍後も鮮度が変わらない!?日本の冷凍技術最前線

2007.08.23 THU



写真提供/時事通信
残暑。料理なんてする気になれないよ…と冷凍食品をレンジでチン。そういえばコレ、昔に比べてずいぶんおいしくなったけど何で?味の素・広報CSR部にイザ電話!

「最近の冷凍食品は、解凍後いかにおいしく食べられるかを考えて加工されているんです。ピラフ類ならごはんのパラパラ感を、ハンバーグなら肉の粒感とジューシーな肉汁を味わえるように工夫しています」

日本の冷凍技術って、おいしさを追求する加工業者の汗と涙の結晶なのね…と感心していたら、さらにスゴイ冷凍技術のニュースをキャッチ。先月、食品製造販売のジャパン・フード&リカー・アライアンスが、水産卸大手の築地魚市場と天然高級鮮魚の販売事業で提携し、解凍後も魚の鮮度が変わらない「誘電凍結方式」という冷凍技術を導入したんだとか。築地魚市場・販売促進部の鈴木和宏さんに、その技術がどうスゴイのかを教えてもらった。

「従来の方法では冷凍中、表面と内部に温度差が生じます。すると、先に凍った表面は内側を圧迫し、細胞が壊れて旨みが抜けてしまいます。パックのマグロの刺身から赤い水が出ることがありますが、あれは壊れた細胞の中身が出てくる現象。一方、誘電凍結方式なら、表面と内側が同時に凍結温度に到達します。細胞が生きたまま冷凍され、鮮度も旨味も保たれるんですよ」

この技術によって得られる恩恵は?

「たとえば、収穫量によって素材の価格が変動すると、外食産業ではメニューの価格を変更しなければならず、安定した経営ができません。でも、1年で一番おいしく、収穫量も多い旬の時期に冷凍しておけば、魚の安定供給が実現します。つまり、次の季節の収穫量を気にせず、価格設定ができるのです。解凍後を考えて技術開発をしているのは、世界でも日本だけですね」(同)

現在の「おいしい」から、将来の「おいしい」までをサポートする日本の冷凍技術。ある意味、日本人ってとことん味にどん欲なのかもね。


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