日本の研究チームが「ニュータイプ」を発見!

“宇宙を語る男”になれるブラックホールの基礎知識

2007.08.30 THU



イラスト:池下章裕
この7月末。京都大学の上田准教授ら研究チームにより、「ニュータイプ」のブラックホール(以下BH)が発見された。BH周辺には「トーラス」というBHに引き寄せられた物質が集まる領域がある。従来観測されたトーラスの多くはドーナツ状だったが、今回発見されたものは球に近く、BHを覆い隠すような形状だった。なお、今回発見されたBH。観測史的には「ニュータイプ」だが、トーラスの形状から推測するとドーナツ状のトーラスを持つ前の段階らしい…というのだが。読者的には、そもそもBHってなんなの? という人の方が多いはず。簡単に説明するとこんな感じだ。

まず、BHを理解する上で重要なのが、すべての物質がもつ「万有引力」だ。これは、物質が他の物質を引き寄せる力のことで、万有引力の強さは物質の質量に比例する。BHとはズバ抜けて質量が高いため、光を含めたあらゆる物質を引き寄せる存在、といえる。なお引き寄せられた物質のほとんどは、「事象の地平面」と呼ばれるBHの中心部に達する前に、素粒子レベルまで破壊されてしまうようだ。ちなみに、BHとともに有名な「ホワイトホール」は、あくまでも理論上の存在らしい。

そんなBHには、いくつかの種類がある。有名なのが星から生まれるタイプだろう。太陽の30倍以上の質量をもつ恒星が歳を経るうち、星が燃える際に生まれる膨張力が衰え、自らの引力に耐え切れずBH化する。

一方、今回発見された「ニュータイプ」は「巨大ブラックホール」と呼ばれるもの。多くの銀河の中心に存在し、太陽の100万倍以上の質量をもつとされる。銀河が成長する過程で、その中心にガスなどが集積され質量が高まりBH化した、と考えられていることから「銀河活動核」とも呼ばれる。こうした成り立ちからもわかるように、BHは銀河や宇宙の歴史に深い関わりを持っている。まだ謎だらけの存在だが、研究が進むことで、人類が宇宙の神秘に触れる鍵を掴めるかもしれないのだ。


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