あれ? 誰かに見られてる気がする…

動物から人間まで視線の不思議を科学してみた

2007.09.13 THU



写真提供/AFLO
誰かに見られていると感じて周囲を見回すと、実際に他人と目が合った経験はありませんか。「視線を感じる」という言葉もあるくらいだし、これってなにか不思議な力? と思って、名古屋大学情報科学研究科の川合伸幸准教授に話を聞いてみました。

「視線に気づくのは、視野の端で見てるからでしょう。意識していない色や情報も、視野の端ではしっかりと認識しているんです。本来、人の視野で色がついて見えるのは120度程度です。でも、人の目は絶えず動いていて、周辺の情報を集めています。加えて、よく見えていない部分の情報は脳で補ってもいます。結果、視野自体は水平方向に約180~200度程度はあると考えられています。この範囲内なら、視線を感じることがあるのではないでしょうか」

気づかれていないと思っていた僕の熱視線は、あの娘の視界に入ってたってこと。恥ずかし~。でも、それじゃ視線以外も、いろいろなものに気づいてしまうのでは?

「人は『目のように見えるもの』(二つの黒い点が水平に並んでいるもの)に非常に敏感。赤ちゃんも人の顔とそれ以外のものでは、顔の方をよく見ます。本能的に視線に注意をひかれるから、気づきやすいのでしょう」(川合准教授)。なるほど。でも、そんなに敏感なのに、正面から凝視されたらちょっと引きます。これってなんで?

心理学者の匠 英一氏によると、「動物界では、目を見る=威嚇。肉食動物が草食動物を捕獲するときやケンカが始まるときの行為です。人間も元は野生動物ですから、目を凝視して話をすると、相手にプレッシャーを与えます。ですから、凝視は普通でない状態の行動なんです。例えば、疑っているときや、特別な愛情があるときなどに多く見られます」とのこと。

子供のころに言われた「目を見て話せ」は、やり過ぎ注意ってことか。熱意を伝えようと、あまりに凝視すると「こいつ、俺のこと疑ってるのか」なんて、いらぬ誤解を招くかもしれませんね。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト