「イライラ」とか「ムカムカ」とか…

日本語にオノマトペが多い理由&世界のおもしろオノマトペ

2007.10.04 THU



イラスト:小松 恵
胃がキリキリ痛むので病院に行ったら休診日。トボトボ帰る途中、雨がポツポツ降りだした――。

カタカナで書いた言葉は、これすべてオノマトペ(「擬音語・擬態語」という意味のフランス語)。要するに音や様子を文字に移し替えたもので、日本語には特に多いらしい。オノマトペ研究本、『へんな言葉の通になる』(祥伝社新書)著者の得猪外明氏(70歳)は言う。

「日本語にオノマトペが多いのは、他の言語に比べて音節、つまり音のかたまりの数が圧倒的に少ないため。アイウエオの50音にガ行などの濁音、パ行の半濁音、ニャなどの拗音を合わせて112しかありません」(得猪氏)

たとえば、英語の音節数は8000とも3万ともいわれているそうなので、その少なさたるや…。

「この“貧弱な”音節を補うために、日本人は『イライラ』『ムカムカ』といった、漢字では書けない二音節反復型のオノマトペを数多く発明してきたんです」(同)

ちなみに、「イライラ」「ムカムカ」は擬態語。フランス語に擬態語は原則としてないし、英語には「bumpy」(デコボコ)、「twincle」(キラキラ)など200~300。しかし、日本語はその5倍以上あるという。

「面白いのは万人が共鳴する言葉だけが定着するということ。埼玉大学の山口仲美教授によれば、水に関係する言葉は『ザブザブ』『ジャブジャブ』『ガブガブ』などのように『ブ』が第二音節に来るといいます。日本人が共感する音なんでしょう」(同)

最少の音節で最大の効果をもたらすのがオノマトペ。宮川大輔をはじめとする、語感のインパクトが勝負の芸人がトークで多用するのもうなずける。

最後に、今までの研究歴の中でいちばん印象深いオノマトペは何かと聞いてみた。

「無音の状態を表す『シーン』ですね。恐らく漫画の世界から生まれた言葉でしょうが、感性豊かな日本人が作り出した最高傑作だと思います」(同)


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