認定されると逆にプレッシャー!?

よく耳にする人間国宝っていったいどんなお宝なの?

2007.10.18 THU



写真提供/AFLO
奈良の法隆寺や京都の清水寺など、日本には重要な文化財に指定されている「国宝」が数多くある。そのなかで、誰でも一度は耳にしたことがあるほど有名な「人間国宝」。だけどよく考えてみれば、人が国の宝になるってどういうこと? 調べてみると、日本の文化財保護法に基づいた重要無形文化財の保持者として各個認定された人、とは書いてあるけど…。文化庁の主任文化財調査官である齋藤裕嗣さんに尋ねてみた。

「人間国宝は正式には重要無形文化財といい、大きく分けて能や歌舞伎などの芸能と工芸技術の2分野から、毎年1回、文部科学大臣によって選ばれます。人間国宝というネーミングから、あたかもその人自身が国宝のような印象を与えますけど、それは間違いで、あくまでその人が体現する無形の“わざ”が認定の対象です」

つまり『ドラゴンボール』を例にとって説明すると、元気玉というわざ自体が国宝で、孫悟空はその保持者という位置づけになるわけ。とはいえ、国宝と呼ばれるくらいだから、なにか特典はあるんですよね?

「う~ん、自身が最高位のわざの体現者として評価され、芸の励みになるという面はあると思います。ですが、文化功労賞のような勲章の授与があるわけでも、交通費が割引になるわけでもないので、報賞といった意味では…。そもそも認定の主なねらいは、歴史上、または芸術上価値の高い文化財を保護することにあります。そのため、後継者の指導や用具・施設の費用に年額200万円の助成金を支給していますが、責任の重さにプレッシャーを感じる人もいるくらいです」(同)

たしかに「あなたのわざは国の宝です」といわれたら緊張しそう…。齋藤さんによれば、「すべての人に人間国宝になれるチャンスがある」というが、一朝一夕には身につかない技術であることはたしか。そう考えると、人間国宝がなんだかよりありがたいものに感じますよね。


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