学校では教えてくれない精子学

実はチームプレイで動く!?“カミカゼ精子仮説”とは?

2007.12.06 THU



イラスト:つるけんたろう
前略。僕らはずっと、出しっ放しだった…。もはや数えきれないくらい出してきたのに、彼らと真剣に向き合ってこなかったと思う! でもね、少子化時代の今、大人として僕らはもうちょっと彼らの生態を知っておく必要があると思うんだ。そう、精子のことを!

たとえば、ご存じだろうか? 億単位で発射される精子の中には、“ヘンな形の精子”がウジャウジャ存在しているのだ。

「ヒトの精液には、正常な形の精子ばかりではなく、頭部が巨大なものや小さいもの、不定形のものや双頭のもの、尾が2本あるものまで、様々な奇形精子が存在します。その割合は10~40%になり、奇形精子には受精能力がないと考えられています」(動物行動学に詳しい土橋拓郎さん)

では、奇形精子は無意味な存在なのか!? 否! 実は彼らにも重要な役割があると主張するキレた説がある。それがベイカー&ベリスの“カミカゼ精子仮説”だ!

これは、ヒトの精子には“他のオスの精子を殺す精子”や“受精する役割を持つ精子を運ぶ精子”、“他のオスの精子が侵入できないように盾となる精子”など、様々な役割を持つ10種類もの精子が存在し、チームプレイのように受精を目指していると考えている仮説だ。受精を担う本命の精子を助けるために自らの命を犠牲にする姿勢が、日本のカミカゼ特攻隊を連想させるため、世界の研究者の間で“カミカゼ精子仮説”と呼ばれている…。まるでマンガの世界! 精子って、凄いっしょょぉ!?

「そもそも精子には未知の部分が多く、ヒト以外の多くの生物にも奇形精子は存在するものの、その役割はまだまだ解明されていない段階なんです。だからカミカゼ精子仮説も、現状では科学的な証拠が乏しく、予想することしかできない(笑)。完全に否定することもできませんが」(土橋さん)

僕らは、勝ち残ったのではなく、本当は多くの仲間に助けられて生まれることができたのかもしれません…来年もがんばりましょう!!


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