エコ対策の隠れた切り札!?

19世紀に開発されたスターリングエンジンって何?

2008.01.24 THU

「スターリングエンジン」ってご存じですか? 語感からは「ロシアで発明された最新型宇宙用ジェットロケット」なんてものを想像しがちですが、このエンジンが誕生したのは1816年というからなんと2世紀も前! ロバート・スターリングさんというスコットランドの牧師さんが発明した熱機関なんです。

その仕組みはいたってシンプル。温度差のある熱源と冷源を外側2カ所に当てることによって、内部の気体を膨張・収縮させ駆動力を得る外燃タイプのエンジン(ガソリンやディーゼルエンジンは内燃タイプ)です。しかも、廃熱を効果的に二次利用してエネルギーを生み出せるため、エコなエンジンとしてもいま再び世界的に注目されているのです。

日本でも、2005年から鉄道・運輸機構(JRTT)から委託を受け、独立行政法人の海上技術安全研究所(NMRI)とベンチャー企業のeスター社、船舶会社の東海運が、共同で船舶用スターリングエンジンの研究を開始しています。

「これまで、東京湾に停泊中の船舶から排出されるディーゼルエンジンの排気ガスが、湾内の空気汚染の大きな原因となっていました。そこで、運行中の排気ガスの廃熱を利用して、停泊中だけでもエネルギーを代用できれば、大気汚染の原因を大幅にカットすることができるんです」(eスター・赤澤輝行社長)

さらに「基本的には熱さえあれば稼働するので、排気ガスや騒音の問題も少なく、効率的に熱をエネルギーに替えられます」(NMRI主任研究員平田宏一さん)という特徴を生かし、船舶以外にも、廃熱が大量に発生する工場などに導入される可能性もあるとか。実用化のためにはさらなるコストカットと性能アップが不可欠らしいのですが、それさえ解決できれば、「廃熱あるところにスターリングエンジンあり」という状況もありうる、帰ってきた“新しい”エンジンなのであります。


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