ルーブル美術館展が開催中

世界の“宝”を守っている輸送と防犯のスゴイ技とは?

2008.02.07 THU

現在、東京都美術館で開催中の『ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美』。18世紀後半のフランス宮廷美術を代表するコレクションが展示されている。すごいんだろうけど、芸術にはまったく興味のないわたくしが興味を持ったのは、この貴重な文化財をどうやって運んできたのかというところ。そこで今回、この美術展の輸送を担当している日本通運に連絡。美術品輸送を専門に扱う関東美術品支店の尾川課長にお話を伺った。

「作業は専門の“美術品梱包輸送技能者”が行います。なかには40年を超えるキャリアの方もいて、その人は卓越した技能を厚生労働大臣が表彰する“現代の名工”にも認定されました。100点運べば100通りのオペレーションがあるので、経験がものをいう職人的な感覚が必要なんですよ」

引っ越しみたいにバイトさんがやるわけじゃないんだ。あたりまえか。それでは、美術品輸送の一般的な流れを大公開。企業秘密もあるので語れる部分だけでご勘弁。

主催者側からオファーを受けるのは1~3年以上前。そこから貸し出す側の美術館の学芸員と、温度・湿度管理方法や梱包時の注意事項の確認などが始まる。場合によっては美術品の模型をつくり、梱包のシミュレーションを行うことも。実際の梱包は中性の薄葉紙を使用。作品に直接ふれる紙は、化学変化を避けるために酸性、アルカリ性のいずれもNGなのだ。そして輸送ルートの確認。空路は積み替えの衝撃を考慮しできるだけ直行便で。陸路は信号での停車・発進による衝撃を避けるため、基本的に高速道路を使って運ぶ。最大の敵は衝撃と温度・湿度による環境の変化なのだとか。

「作品は痛い暑い寒いとは言えません。だからそれをイメージしながら、なるべくストレスフリーな状態で運んであげるということが大事なんです」(尾川氏)

ちなみに、お願いをすればあなたが描いた絵も、価値のある美術品と同じ手順で運んでくれる。魂のこもった作品ができたら考えてみてはいかが。


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