金の価格が過去最高値。ところで…

大昔から「黄金」ばかりが珍重されるのはなぜ?

2008.02.28 THU



ヒムロイサム=写真photography
金の価格が上昇し続けている。今年1月にはニューヨークの先物取引市場で28年ぶりの高値を更新した。その背景には、金取引への投機マネー大量流入が指摘されているが、中国やインドなどの新興国での需要が高まり、競い合うように金が買われているのも価格上昇の原因のひとつだといわれている。

柔らかくて強いため加工しやすく、腐食にも強いので装飾品に向いていたとか、埋蔵量が少ないなど、確かに金には、その価値を裏づけている要素がある。しかし、大昔から血塗られた奪い合いの歴史が積み重ねられてきた金には、そんな物理的な説明では答えられない魅力というのがあるような気がしてならない。他の金属以上に人々の心をとらえて離さない金ならではの魅力ってなんなんだろう?

「まず、黄金は他の鉱物と違って精錬などをしなくても砂金や金塊のようにはじめから黄金の形で手に入るというのも、多くの人を惑わせてきた理由のひとつだと思われます」とは、『あぶない世界史』(ベストセラーズ)、『秘密結社』(中央公論社)などでもおなじみの作家・桐生操さん。

なるほど。見つけた瞬間、すでに「ザ・金!」状態っていうのは確かに興奮させられる要因かも。そしてその輝きが、生命の源・太陽の色と似ていることから、人間は宗教的な見方もするようになったという。

「太陽神を信仰していた古代エジプトの人々は自然や宇宙を擬人化して考えていたため、太陽神の肉体は黄金でできていると信じていました。古代の人々は、衰えることのない黄金の輝きを太陽の永遠性と関連づけていたのだと考えられます」(同)

生命力の象徴と考えられ、だからこそ権力の象徴にもなった金は、その価値が市場に委ねられている今もなお、人々の欲望をかき立て続けている。金が人間に抱かせる魅力の本質というのは昔も今も、案外、変わっていないのかもしれない。

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