温暖化対策としても注目を集める

廃熱を音に変えてクールダウン「熱音響冷却システム」って何だ?

2008.03.21 FRI


熱音響冷却システムの仕組みがこちら。スタック(音から熱、熱から音への変換を行う装置)を通って伝わることで冷却できるようになっている イラスト/ニシワキタダシ
「アヂ~、早くクーラーの効いた部屋に入りて~」なんて季節はまだ先ですが、夏には欠かせない冷房について、「廃熱を音に換えて、音でモノを冷やす」なる研究が進んでいるそうです。

えっと、「熱を音に換える」っていう前提はともかく「音で冷やす」ってチンプンカンプンです! この「熱音響冷却システム」を研究している同志社大学工学部の渡辺好章教授、やさしくご説明ください!

「熱が音に換わるという原理は『熱音響現象』といって、一種の共鳴現象です。熱エネルギーがどんどん送りこまれることで空気が激しく振動します。その振動のうち、器や管のサイズに合った波長が共鳴して音になるわけです」

空気の振動が音になるのはイメージできましたが、その音でどうやってモノを冷やすんですか?

「別に音のエネルギーを使って冷やすわけじゃありません。音エネルギーで熱を移動させるわけです。実験装置では、1mmくらいの穴がたくさん開いたセラミックフィルターでスタックという熱交換装置を作り、そこに音を通すことで、振動エネルギーを熱として取り出しました」

熱エネルギーを取り出す? 冷房よりは暖房というイメージですが。

「2つ目のスタックに音のエネルギーが通ることで、温度差が生まれるんですよ。上が熱くなって下が冷えます。エアコンにたとえたら、熱くなった上部は屋外に放熱する室外機、熱が奪われる下側は室内を冷やすエアコン本体の役割を果たすんですね」

えー、つまり、音のエネルギーは強制的に熱を奪うので、それが冷却に使える、ということですね。実験ではプラス20度からマイナス20度まで冷却できたというから、冷凍庫ぐらいの威力はありそう。ちなみに、どれぐらいの音量が必要? カンカンガクガクのR25.jp会議なら、結構な発電ができそうですが?

「実験装置には100Wぐらいのエネルギーがこもっていますが、これはジェット機100機分ほどの騒音。ちなみに人の声は、ほぼゼロWです。いくらうるさい大声でもエネルギーにはなりません。このシステムですが、冷蔵庫やクーラーとしての実用化はまだ研究を重ねなければなりませんが、工場などの大規模スペースならすぐ導入できる段階です。本来なら捨てる熱の二次利用ですから、地球にもやさしい。日本でいち早く実用化したいですね」

音だけに(?)、このシステムへの反響はバッチリ。噂を耳にした企業から実用化のオファーが殺到しているそうですよ!

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