レコードすらまわしていないのに!

人気DJのみなさん。ライブ中にツマミをひねって何をしているの?

2008.03.21 FRI


CDとライブではミックスを変えているというRYUKYUDISKOのお二人(左から哲史さん、陽介さん)。3月26日にはメジャーでは初となるライブDVD『RKDV 1.0(LIVE&CLIPS)』(キューンソニー)がリリースされるので、CDと聞き比べてみては? 撮影/柴田ひろあき
つねづね不思議に思ってることがありました。それは、アンダーワールドやケミカル・ブラザーズ、ダフト・パンクといった人気DJのライブでのこと。他人のレコードをまわすでもなく、自前の曲をコンピュータで奏でる彼らDJたちは、いったいステージ上で何をやっているのか?

なにやらツマミをひねっていることまではわかるのですが。日本のみならず、海外でも高い評価を得ている沖縄出身の双子の人気DJ、RYUKYUDISKOを直撃。

「まず、ぼくらのステージはライブとDJの2通りがあって、ライブの時は自分たちをDJとは呼ばないんですよ。そもそもDJって、レコードやCDをかけるDisc Jockeyじゃないですか。なので、ライブの時は『テクノバンド』と名乗ります」(兄の廣山哲史さん)

なるほど、勘違いしてました。テクノイベントだと、タイムテーブルに「DJ SET」「LIVE SET」と区別して表記されているものの、ロックフェスあたりになると「DJ」とひとくくりにされることもあるとか。あらためて本題ですが、ライブ中は何をしているんですか?

「ライブ中は主に、手元にあるDJミキサー(※たくさんの音をまとめ、音質や音量を調整する機械)という機材を操作して、主にコンピュータから流れてくる音源 をミックスしています。ライブ用の音源はアーティストによって違うんですが、ぼくらの場合はステレオで5種類用意していますね」(弟の廣山陽介さん)

そのDJミキサーには、音をフェードイン/フェードアウトさせるフェーダーというボリュームに似たツマミや、高音域や低音域を強調するツマミなどが、音源 の数だけ並んでいます。言うなれば、ボリュームやイコライザー(※TREBLE=高音域や、BASS=低音域などの音質を操作するツマミ)部を備えたラジカセを、音の数だけ並べたようなもの。

「ロックバンドと違って、テクノライブはミックスが命。わかりやすくいうと、ドラム、ベース、シンセサイザー、ボーカルと分かれている音源を、手元のミ キサーで、どの音をどのタイミングで強調するか、あるいは抜かすかといった操作をしているんです。ミキサーにエフェクト機能もあるので、音源をゆがませたりダブらせたりと即興でアレンジもしています」(哲史さん)

コンサート会場の観客席側のブースで音響を調整しているPAという人たちがいますが、もしかしてそのPA作業をステージ上で行っているようなもの?

「そう。実際テクノアーティストのことを『ライブPA』と呼んだりもします」(哲史さん)

ライブ中、大きなアクションでツマミをひねっているのは?

「パフォーマンスですね(笑)。ライブではミックスやエフェクト以外にも、CDをまわしたり、デジタルドラムを叩いたり、生楽器を演奏したり、あるいは観客を煽ったりと、他にもパフォーマンスがあります。より身振り手振りのパフォーマンスを重視するなら、究極的に音源は2種類、あるいはあらかじめ用意したミックスをかけるだけでもいいのかもしれません」(陽介さん)

ライブパフォーマンスを突き詰めれば、むしろDJスタイルに近くなるとは。なんだか不思議ですが、ともかくこれで長年のモヤモヤがスッキリしたのでした。

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