アダルトビデオ業界の苦悩

どこまでならOK!? モザイク基準の現状

2008.04.03 THU

2006年に発売されたアダルトビデオ3作品のうす消しモザイクを許可した疑いで、社員が逮捕された日本ビデオ倫理協会(以下、ビデ倫)。ビデ倫は、1972年の設立以来、修正審査を一手に引き受けてきた業界の自主規制団体だが、初めて逮捕者を出す事態となってしまった。この事件の背景には、近年の業界を巡る環境変化があるようだ。

「ビデ倫は、業界審査団体の元祖として、数年前まで保守的なスタンスをずっと崩してきませんでした。90年代のヘアヌードブームのときも、メーカー側のヘア解禁の要望を許可しなかったほどですからね」(アダルトビデオ評論家の大坪ケムタ氏)

ところが96年に、セルビデオ中心のインディーズメーカーが、新たな自主規制団体を発足させ、基準を独自に緩和したことでセルの売り上げが急増。これに危機感を抱いた大手レンタルメーカーがビデ倫から脱退して、新団体を次々設立し始める。

「ビデ倫も取り残されまいと、05年から審査基準をゆるめはじめました。ところが急激に審査基準を緩和したために、チェック機能がうまく働かず、行き過ぎてしまったんです」(大坪氏)

それにしてもモザイク基準は、そもそもどのように決まっているのだろうか。

「修正の審査基準は、特に法律で明文化されているわけではありません。これまでずっと各審査団体の自主的な判断に任されてきた上、担当者ごとの審査のバラツキも指摘されています。今回の一件で、モザイクのかかる範囲は全体的に若干広くなるでしょうね」

とはいえ、と大坪氏は続ける。

「結局いたちごっこなので、モザイク基準を巡る警察と審査団体、メーカーの三つ巴の争いはずっと続くと思います」

さらには各審査団体が、警察OBの天下り先になっているという報道もある。

今回の一件は、時流に乗り遅れまいと先走ってしまった老舗団体が陥った落とし穴、なのかもしれない。


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