なんと樹齢9550年!

世界最古の生きた樹木が発見なぜ植物は長生きできるの?

2008.06.05 THU



写真提供/SCANPIX/AFLO
先月、スウェーデンでウメア大学の研究チームが、樹齢9550年のヨーロッパトウヒという樹木を発見! 9550年前といったら、まだ日本人が狩猟採集生活をしていた縄文時代にあたる。人間だと100歳以上生きることだってまれなのに、どうして植物はそんなに長生きすることができるんだろう? 『植物はなぜ5000年も生きるのか』著者・鈴木英治さんに伺いました。

「動物も植物も、細胞分裂を繰り返しながら生きています。ただ、動物の体内には、血液や皮膚のように次々と更新される新しい細胞と、心臓の筋肉細胞のように、誕生して以来ずっと分裂することなく活動し続ける細胞が同居しているんです。ですから、分裂できない心臓の細胞が死んでしまえば、そこが寿命の限界となってしまいます。一方、樹木の場合、生きているのは根や葉、表皮などの一部だけで、他のほとんどの部分はすでに死んでいる細胞なんです。死んだ細胞の外側に新しくできた細胞が付け加わっていくという形で成長しているんですね。つまり、樹木は死んでしまった古い細胞を、木を支えるための柱として利用し、幹を上へ上へと伸ばしているというわけです」

樹木がほとんどがすでに死んだ細胞でできていたなんてびっくり! でも、すべての樹木が数千年も生きられるわけではないですよね?

「成長途中で虫に喰われたり、台風で倒されたりと、最高寿命まで生きられる個体はめったにいません。幹が固くて耐久性がある針葉樹などは、樹脂に虫が嫌う成分が含まれているので、比較的長生きしやすいんですね。また、標高の高い場所や養分が少ない土地など、生育条件が厳しい環境下で育った樹木は成長がゆっくりと進み、結果、数千年生きることもあるんですよ」

死んだ細胞を体の中に残したまま、常に新しい細胞を生み出していくことで生き続けている樹木。動物と植物とでは、生きているという概念そのものが違うのかもしれませんね。


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