『思想地図』という本も話題ですが…

「思想」ってジャンルは一体どういうものなの?

2008.06.12 THU



イラスト:佐野彩子(BLOCKBUSTER)
思想書として好調な売れ行きを示している『思想地図』という本がある。これをR25編集会議で紹介したときに、ふとこんな質問をされた。

「思想って、つまりどういうものなの?」答えられず。そのため、早速調査を開始。

まず、これと似たイメージの言葉に「哲学」があるが、ものの本によれば、このふたつは一応区別されるようだ。ごく簡単にいうと、「哲学」というのは基本的に「なぜ?」「なに?」をとことん突き詰めていく態度のこと。例えば「自分とはなにか?」「なぜ生きるのか?」といった具合に、ひたすら物事を疑いながら考え続けていく。

それに対し「思想」は、その人の主義・主張を、他者に向けて論理立てて説明していく態度、といえる。そして、例えば「日本はこうあるべきだ」「地球環境はこうあるべきだ」といった具合に、個人の内面にとどまるものではなく、ある程度の「社会的な広がり」を持つものと想定される。

それでは、日本での思想とはどういうものなのか? 『思想地図』の著者である、思想家の東浩紀氏にお話をうかがった。

「思想というと、50~60年代は一般的にマルクス主義を指す言葉でした。70年代以降になると、マルクス主義が衰退し、思想の意味もあいまいになる。しかし、若者たちの間には『思想=カッコいい』といった風潮が残り、80年代の好景気のさなかに資本主義批判をするのがカッコいい、といった具合にファッションと化していく。『ニューアカデミズム』と呼ばれる大きな思想ブームも起きました」

そして現在はというと、ワーキングプアなど格差や貧困をめぐる状況が問題視され、「この社会をどうすべきか?」という思想的議論が再び熱気を帯びているという。『思想地図』の他にも、『ロスジェネ』(かもがわ出版)や『M9』(晋遊舎)といったオピニオン誌の創刊も相次いでいる。

R25世代も他人事じゃないわけでたまには思想について頭をめぐらせてみるのも大事かも。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト