人類待望の究極のエネルギー源

夢のテクノロジー常温核融合が成功ってホント?

2008.07.10 THU



写真提供/AFP=時事通信社
最近、「すわ! 常温核融合らしき現象を確認か!?」とのニュースが、ひっそりとだが、立て続けに報道された。5月に大阪大学の荒田吉明名誉教授が行った固体核融合に関する公開実験と、6月に北海道大学の水野忠彦博士が発表した水素と炭化水素を反応炉で加熱後、過剰熱が発生したとの実験がそれだ。

そもそも「核融合」とは何か? 一言でいえば、軽い原子核同士が融合して、より重い原子核になることだ。この時、融合の仕方によっては莫大なエネルギーを発生させることができる。じつは、太陽も核融合で熱を発して輝いているのだ。しかし、地上で核融合を起こすには、1億度以上もの超高温(または超高圧)が必要になる。それでも、熱核融合炉の建設に向けて、日本を含む各国が開発にあたっているのだ。

そこで、超高熱を必要としない「常温核融合」の登場だ。特殊な条件もなく、手軽に莫大なエネルギーが取り出せるとしたら。しかも、核融合は「核分裂」を利用した現在の原子力発電のような暴走の危険はないという。原料も、ウランのように扱いにくいものでもないようだ。もし、常温核融合が実用化すれば、エネルギー革命をもたらす大発明! のはずなのだが、ひっそりとしか報道されないのはどうして?

「常温核融合は、現代物理学の範疇とはあまりにかけ離れており、理論も構築されていません。それに再現性も認められていない。1989年に、ある研究者がこの現象を発見して大フィーバーが起こったのですが、その後、否定する実験結果が次々と提出されて下火になってしまったんです」と語るのは、ほかでもない6月に実験を発表した水野忠彦博士。まだ個人での発表段階で、多くの検証を経なければ、常温核融合に成功したとはいえない、という。

とかく、擬似科学ではないかと否定されがちな常温核融合。しかし、科学はこれまでの常識を覆すような新発見によっても発展してきた。今回の実験結果が、常温核融合成功に結びつけばいいのだが。


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