スポーツのとき、事故のとき…

あの“スローモーション現象”の謎を探ってみた!

2008.07.10 THU



イラスト:もりいくすお
プロ野球選手のインタビューなどでよく耳にする、「打つ瞬間にボールがゆっくりに見えた」といったスローモーション現象。交通事故に遭った人が「事故の瞬間が永遠のように感じられた」と話すのも、その一つなのかもしれません。少なくとも筆者にこうした経験はないですが理屈は少々気になるところ。まずは脳科学総合研究センターに、「高速のものがスローに感じる」理由を質問してみました。

が、答えはなんと「現在の脳科学では説明できません」。うーん、では「スローに感じる」を「よく見える」に置き換えて、動体視力の切り口から考えるとどうなるのでしょう? 動体視力トレーニングソフト『武者視行』を開発したスポーツトレーナー、藤川陽一先生に改めて聞きました。

「野球選手のケースは高度な眼球運動によるものでしょう。人間は高速の物体を見るときに、ある程度進路を予測しながら目で追います(図)。これが100%ハマると、一瞬止まって見えるものなのです」

なるほど。でも、これだと不意に襲ってくる事故のケースが説明できないような。

「火事場の馬鹿力で情報処理速度が飛躍的に高まったではダメですか(笑)? ここでいう情報処理速度とは、周囲の景色(情報)を目でキャッチして、それを脳で認知するまでの速さ。F1ドライバーが時速300kmの世界でも冷静な判断が下せるように、人間には高い潜在能力があると私は考えています。よく聞く話なのに科学的検証ができないのは、単にこうした状況を一般人相手に再現するのが危険なためですね」

ちなみに動体視力とは、こうした情報処理の速度や正確性を示すもの。鍛えれば、ビジネス上でも書類を読んだり探したりするのが速くなるメリットがあるとか。

「普段から動きの速いものを見るようにすれば、わずかながらも処理速度は高まりますよ」との言葉を信じ、いつかは世界のすべてが止まって見えるほどの感覚を得てみたいもんです。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト