近づく秋の風物詩…

トンボに指先グルグルは本当に効くのか!?

2008.09.05 FRI


写真はアキアカネのオス。アカトンボの仲間は、羽化後しばらくはオレンジ色をしているが、オスは成熟すると赤くなるものが多い 画像提供/新井裕さん
暑さのピークも過ぎ去り、秋の訪れを感じる季節です。ふと見上げると、夕焼けの空に群れをなして飛んでいるアカトンボ。子どものころ、必死になって追いかけまわしたという人もいるのでは? そういえば、よく「トンボの目の前で指をぐるぐる回すと捕まえることができる」なんて聞くけど、それって本当? 『トンボの不思議』(どうぶつ社)の著者、新井裕さんに聞きました。

「昔からよくいわれている採取法ですが、私は、その方法でトンボを捕まえたことは一度もありませんね。ただ、アキアカネなどのアカトンボの仲間は、人間に対して警戒心が薄く、目の前で指を回すと、つられて頭部を回すことがあるんです。ですから、指に気をとられている隙に、背後から捕獲することはできないこともないでしょう。ただ、オニヤンマのような警戒心の強いトンボは、指を近づけただけで逃げてしまいますよ」

トンボは目を回してるわけじゃないけど、ちゃんと指を見てるってことなんですね。

「そうですね。どんなふうに見えているのかは、トンボに聞かないとわかりませんが、動かないものは見えにくいようです。トンボの目は複眼と呼ばれ、個眼という小さな目が1万~2万5000個集まってできています。さらに、頭のてっぺんには、複眼とは別に単眼と呼ばれる目があり、そこで明暗を感知しています」

色を見分けることはできるんですか?

「できますよ。メスを糸で縛った状態で飛ばして、オスがメスに飛びついてきたところを捕まえるおとり法と呼ばれる採取方法があります。ギンヤンマのオスの腹部は水色、メスは黄緑色をしているんですが、オスの腹部を葉っぱの汁などで黄緑色に塗ると、メスと間違えてほかのオスが飛びついてくるんです。このことからも、トンボが色を判別していることがわかりますよね」

じゃあ、さっそく目回し法とおとり法を使って、トンボを捕まえてみようかな。

「でも、実際はどちらの方法もかなり難しいと思いますよ。とまっているトンボにギリギリまでゆっくりと近づき、虫取り網をすばやく振って捕まえるのがベストですね。都内でも、産卵場所となる水辺のある公園などには、シオカラトンボやアキアカネなど、多くのトンボが生息しているので、ぜひ見つけてみてください」

この秋は、童心にかえって、トンボと戯れてみるのもいいかもしれないですね。

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