温度差1℃から発電可能!

手のひらサイズのスゴいヤツ“温度差発電”の正体

2008.09.25 THU


先日、慶應義塾大学で温度差で電気を起こす発電装置が開発されたというニュースが報じられた。いったいどんな装置なの? 開発者の武藤佳恭教授を直撃すると、現れたのは手のひらに軽く乗る数百gの小さな装置! 凍った保冷剤を乗せるとプロペラがクルクル回り、手のひらで温めると今度は逆回転。キツネにつままれたような気分だけど、これ、どうなってるんですか?

「これは、携帯用冷蔵庫に使われる半導体『ペルチェ素子』を使っています。ペルチェ素子の、温度差を与えると発電するという性質を利用したものなんです」(武藤教授)

なんと温度差1℃でも微弱な電力が発生するそう。こんなに小型で発電効率のよい装置が開発されたのは初めてだという。

そもそも、温度差発電の原理は1821年に発見され、いろいろな方法で活用されてきた。近年では、海面と海底の温度差を利用した海洋温度差発電が一部で利用されるようになっているとか。しかし、それは海のそばでのみ可能な装置。そこでここ数十年は、どんな環境でも簡単に発電をできるように、半導体を使った研究が進んでいた。ただ、いままでは温度差が半導体に伝わる前に外に逃げてしまい、十分な発電ができなかったのだそう。では、今回なぜ可能に?

「ペルチェ素子の厚さなど、部品の選び方や接続の工夫で、温度差を逃がさず伝えられるようになったんです」(同)

武藤教授は、JR東日本が試験的に導入した、踏まれると発電する床 発電床の開発者。「上を歩く乗客がいないときでも発電するには?」と考えるうち、温度差発電の改良を思いついたのだとか。

「現状では20~30℃の温度差で0.5W発電しますが、発電効率を上げる余地はまだあります。温泉地にはたいてい地下水もあるので、将来的にその地域の電力すべてを温度差発電でまかなうことも可能です」(同)

現在、実用化に向けて温泉地での実験を予定中。夢みたいな話だけど、早く日常生活に浸透してほしいです!


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