廃藩置県以来、約140年も経ちますが…

いまだに残る“県境未定地”その歴史をひもとくと…

2008.10.02 THU



図版製作/武藤将也(BLOCKBUSTER)
廃藩置県以来、137年ぶりに十和田湖の県境が画定――。8月末にこんなニュースがあった。十和田湖は青森県と秋田県にまたがる湖で、これまで湖面の境界ラインが未画定だったそう。それが長年の話し合いを経て、青森側6、秋田側4の割合で分配することに決定。

もちろんこれは大事なニュースだがつい驚いたのは「県境が未画定」という点。国土地理院によれば、今年4月時点で、十和田湖も含め全国に17の県境未画定地がある模様。そんなものがまだあったなんて。

「県境の未定地というのは、藩政時代の遺物のようなものです。現在の県境は、廃藩置県のときに各藩の境界線を基本に定められたもの。その際、元々の境界線未定地も一緒に引き継いでしまったのです」と教えてくれたのは、『知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎』の著者である浅井建爾氏。いわく、大昔はあいまいなままでも問題なかった地域の境界に、やがて開発が進むなどして利害関係が生じ、調整がつかず未定のまま残ってしまっている、とのこと。

「境界を決めようとすれば、測量や調査などに膨大な費用と時間がかかります。そのため、特に差し障りがなければ無理に確定はさせず、そのままにしておくケースが多いようです。とはいえ、未定のままではデメリットも多く、各行政ともこの解消に努めていることは確かです」(同氏)

大きなデメリットとして、地方交付税の問題があるという。これは地域の面積や人口などに応じて国から支給されるシステムになっているのだが、境界未定地はどちらの県の面積にも含まれないため、支給されるべき交付税をもらい損ねてしまうのだ。

「今回の件では、実際に十和田湖の面積分の地方交付税6700万円が青森側と秋田側に6対4で分配されました。どの行政も財政難を抱えているため、もらえる交付税は欲しいというのが本音でしょう」(同氏)

引けない県境の線には、因縁の歴史や政治的かけひきなど、様々なドラマが関係しているのだ。


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