かおり風景100選の地を訪れてみた

あのかおりを嗅ぐと思い出す匂いと記憶の不思議な関係

2008.10.02 THU



写真/熊林組
かおり風景100選ってご存じですか? 名水100選や名山100選はよく聞くけれど、香りにまで100選があるとは、ちょっと驚き。調べてみると制定したのは環境省であることが判明。報道発表では『豊かなかおりとその源となる自然や文化・生活を一体として将来に残し、伝えていくため、かおり風景を広く募集。600件の応募から香り・匂い、文化・ライフスタイルの専門家で構成される選定委員会が、特に優れた100地点を選定した』とのこと。いい話じゃないですか。100選マニアの筆者としては、とりあえず現場へGo。ということで、その中のひとつ「神田古書店街」へ行ってみた。

かおり100選の資料によると、ここの香りの源は「古書」とのこと。で、肝心の香りはというとよくわからない。仕方がないので、近くの古書店に入ってみる。とその瞬間、おー、なるほど。納得。古いインクと紙独特のニオイ。なんていうか、図書館の誰もこない奥の方のニオイ。伝わるかな~。受験勉強をしていたころを思い出す。ん、あるニオイってやたらと古い記憶を蘇らせるな。むしろ、そっちの方が気になる。詳しい話を筑波大学准教授で、『においの心理学』(フレグランスジャーナル社刊)編者の綾部早穂先生に聞いた。

「香りを嗅ぐと急に昔の記憶を鮮明に思い出す効果をプルースト効果と呼びます。脳内で記憶や情動、感情を司る部位と嗅覚を司る部位が非常に近いので、ニオイが記憶を刺激しやすいともいわれていますが、詳しいメカニズムはわかっていません。ちなみに、実験結果から、嗅覚の記憶は視覚や触覚の記憶よりも、より感情をともなう記憶、当時のドキドキやワクワクなどまで思い出すことが多いようです」

ちなみに、視覚や触覚などニオイ以外の刺激は10代の記憶を思い出させることが多く、嗅覚の場合は、それ以前の幼いころの記憶まで思い出すことが珍しくないとか。「かおり100選」の地を巡っていると、思わぬ記憶と出合えるかも。


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