アスタキサンチンがカギらしい

鮭が白身魚だったなんて!じゃあなんで赤いんですか?

2008.10.23 THU



写真提供/アフロ
北海道では秋味と呼ばれるなど、秋の味覚を代表する鮭。まさに今が旬の魚ですが、その鮭が白身魚だったってご存じですか?

「そう、鮭は白身魚です」と答えていただいたのは東京海洋大学の矢澤一良教授。

「白身魚と赤身魚の違いは筋肉の種類の違いです。白身魚の白い筋肉は速筋と呼ばれ瞬発力が高く、一方、赤身魚の赤い筋肉は遅筋といって持久力が高いんです」

鮭の切り身が赤いので赤身魚だとばかり。

「産卵後の鮭の死骸は真っ白です。ではなぜ生きている間は赤いのか? これにはアスタキサンチンという赤い色素が関係しています。鮭は海を回遊している時、オキアミなどの動物性プランクトンを食べています。そのオキアミは藻を食べる。この藻の中に赤いのがいるんです」

なるほど、食物連鎖か。でもそのオキアミや藻は、ほかの生き物も食べていません?

「だからカニやエビの殻、鯛や深海魚の表面なんかも赤いですよ。でも鮭だけは筋肉組織にアスタキサンチンを取り込むんです」

な、なぜ鮭だけが?

「たまたまです(笑)。鮭は川をさかのぼるためにずっと泳ぎ続けますよね。運動すると体内で活性酸素が増え、筋肉組織を破壊し疲労を感じます。この活性酸素を消去して筋肉損傷から守るのが、おなじみビタミンCやE、ベータカロテンなどの抗酸化成分です。そのなかでも最も強力なのがアスタキサンチンなんですよ。おそらく安全な産卵場を求め、ほかの魚も川を遡上しようとしたのでしょう。でも上流にたどり着けたのは、たまたまアスタキサンチンを筋肉に取り込めた鮭だけだったというわけです」

鮭よりむしろアスタキサンチンがすごい。

「この成分は人間にも有効です。眼精疲労改善の臨床データがあるほか、最近話題の富士フイルムの基礎化粧品『アスタリフト』も、アスタキサンチンのもつ紫外線からの防御機能を利用したものです」

虚弱なぼくも鮭みたくアスタキサンチンを筋肉に取り込めないかしらね。


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