1年で東京ドーム約289個分拡大

国土はどこまで広げられるのか?

2009.03.12 THU



写真提供/共同通信社
日本の国土は広がっている!? 国土地理院は、昨年10月1日までの1年間で、日本の国土面積が13.58平方キロメートル(東京ドーム約289個分)増加したと発表した。考えてみれば、埋め立て事業などがあるので年々増加しているのは当然なのだが、国土を勝手に広げていいものなんだろうか。国土交通省の河川局水政課に聞いてみた。

「埋め立て免許などの裁量は、基本的に都道府県知事の判断に任されています。しかし、大規模な埋め立てに関しては、国土交通大臣の認可が必要です。具体的な規模でいえば、一般海域でしたら50ヘクタール以上の埋め立てが必要な場合ですね」

こうした規定は、公有水面埋立法という法律で定められている。ただ闇雲に埋め立てが許可されているわけではないのだ。

「河川や沿岸の海といった公有水面は、国民共有の財産という前提があります。それを陸地にして、企業や団体が所有権を取得することになりますから、公共の福祉に寄与するという主旨において許される行為なんです。それに、利用目的に対して適正な広さしか埋め立てることはできません」(同)

公共の福祉といっても、住宅分譲地や営利目的のレジャー施設など、その適用範囲は広い。公序良俗に反するものではなく、国土利用上合理的であると判断されれば、埋め立ての認可を受けることはできる。

ところで、国土が広がると領海まで広がるのか? という疑問がわくかもしれないが、それは現実的にはありえないようだ。国際法に照らしあわせると、基線というものが各国で引かれており、そこから領海が決められる。基線は、やや沖合いに引かれる場合が多いので、沿岸部分を多少埋め立てても領海まで影響が及ぶことはないのだ。

埋め立ては、国際的にも国土を広げる正当な権限のひとつとして認められている。ただし埋め立てによる環境悪化の問題を抱える場合も多く、環境に対する慎重な調整が求められている。国土が広がってうれしいという単純な話でもないのだ。


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