あの勇姿を拝めるのもあと1年

どうしてスペースシャトルは2010年に引退しちゃうの?

2009.04.16 THU



写真提供/アフロ
3月17日、若田光一さんが、スペースシャトル・ディスカバリー号に乗って国際宇宙ステーション(ISS)に旅立った。しかし、実はスペースシャトル自体は、2010年までに引退することが確定している。宇宙開発の代名詞ともいえる存在なのに、なぜ引退することになったのだろうか?

「シャトルは、1972年に終了したアポロ計画の後を受けて、低コストで宇宙に行くための再利用型宇宙船として1981年に初飛行しました。しかし再利用することによって、逆に莫大なメンテナンス費用がかかってしまったのです。1回の打ち上げ費用の実績は約5億ドルで、開発当初の3000万ドルという見積もりを大幅に上回っています。さらに、これまで2度大きな事故が起こるなど、安全面での実績に不安もあることから、引退が決まりました」(科学ジャーナリストの松浦晋也氏)

後継機となる「オリオン」は、こういった理由から、1世代前のアポロ同様使い捨てタイプになっているという。構造的にも円柱型でシャトルのような翼もない。

「そもそもシャトルの翼は、機体の7分の1の重さを占めているにもかかわらず、地上着陸直前の30分間しか使用されません。その分おもりを積んでいるようなものですから、宇宙船としてはアポロやオリオンのように翼がないほうが合理的なんです」(同)

ただし、オリオンのお披露目は、今から6年後の2015年。となると、シャトル引退後から5年間のタイムラグが生じてしまう。この間どうやってアメリカはISSに物資や人員を運ぶのだろうか?

「人員は、ロシアのソユーズ宇宙船で行き来します。日本と欧州の無人輸送船も物資輸送を担うでしょう。一方でNASAは民間企業に無人輸送船を開発させ、完成したら買い上げる計画も進めています」(同)

もはや宇宙事業は1国だけでなく国際協力しながら進める時代なのだ。シャトルの退役は、まさに宇宙開発の新時代の到来を予言しているのかもしれない。


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