“世界最長の実験”で思う…

ガラスは実は“液体”だった?「固体」と「液体」のビミョーな関係

2009.04.23 THU


先日、ネットニュースで紹介され、ちょっとした話題となった「ピッチドロップ」という実験を知っているだろうか? これは、クイーンズランド大学(豪)で、1927年から続く世界最長の実験で、その目的は一見固体にしか見えない物質でも、実は液体のようにふるまうものがある、ということの実証。実験といっても非常に単純。道路舗装などに使われる「ピッチ」と呼ばれる物質の一種が、時間とともに滴り落ちる様を観察するだけなのだが。一滴の「ピッチ」が落ちるまで、なんと10年前後の歳月を要するという。

へぇ~そんな物質もあるんだ。と、ゆるい感想しか持てないアナタ。実は、こうした物質はアナタの身の回りにもある。たとえばガラス(ケイ酸塩ガラス)も、重力により時間とともに変形しているというのだ。その証拠に、古い家屋の窓ガラスは、よく見ると下のほうが厚くなっているとか。うーん、これってかなり複雑。そもそも『固体』と『液体』の違いってなんだっけ?

と思い、勉強&取材をしてみたのだが。実は、理系の方々にとっても『固体』と『液体』という状態の違いって、様々な定義があり、かなり複雑な問題らしい。強いて単純に定義すれば、その物質を構成する原子(分子)が規則正しく並んでいる(結晶がある)かどうかがポイントで、結晶があれば『固体』、なければ『液体』や『気体』状態にある、といえるそうだ。この定義でいえば、実験中のピッチや窓ガラスは、結晶がないので『液体』状態にあるというが。

より深く定義すれば、ガラスは『アモルファス』と呼ばれる、特殊な状態をもつ物質とされているらしい。アモルファスとは、結晶がなく不定形だが、原子(分子)は集合しているので『固体』とも定義されるつまり『固体』でもあり『液体』でもある状態のこと。ちなみにこの状態をもつ物質は、ほかにもプラスチックの一部やゴムなど数多くあるとか。つまり、身の回りにある物質って意外と流れているということ? う~ん、不思議だ~。


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