“幻の海上都市”と呼ばれる歴史的廃墟

35年ぶりに上陸解禁の理由は?長崎「軍艦島」にズーム・イン

2009.05.14 THU



写真提供/時事通信社
幻の海上都市と呼ばれ、ノスタルジックな佇まいで多くの人々を魅了してきた軍艦島が、35年ぶりに上陸可能となった。軍艦島とは長崎県にある端島の俗称で、軍艦「土佐」に島影が似ていることから、そう名づけられたとか。南北約480m・東西約160mの小さな無人島で、維持管理されておらず、倒壊の危険から上陸が禁止されていたが、なぜ今、解禁されたのだろうか?

「年々増える軍艦島クルーズのお客様の要望も解禁理由のひとつですが、昨年、九州・山口の近代化産業遺跡群のひとつとして、軍艦島が世界遺産暫定リストに入ったことが大きな要因だと思いますよ」(軍艦島を世界遺産にする会の坂本道徳理事長)

軍艦島は、1890年に三菱財閥が海底炭坑として操業を開始した。以来、製鉄用原料炭を供給する島として栄え、1972年まで24時間体制で採炭が行われていたという(1974年に正式閉山)。島民が暮らしていた、国内最古の鉄筋高層アパートなどが貴重な産業遺産であるとして、世界遺産暫定リストに選定されたのだとか。

「最盛期(1960年代)の人口は約5300人で、当時の東京の人口密度の9倍だったんですよ。島内には、小中学校(7階建て)、交番、病院、郵便局、共同販売所、映画館、飲食店、お寺など、都市機能が揃っており、活気に満ちていました」(同)

脅威の人口密度ゆえか、軍艦島では土地がフルに活用されており、高層の建物が密集しているそう。老朽化した建物は、いつ崩れてもおかしくない状況だ。そのため今回の上陸では、島の南東部に設けられた通路(全長220m)を歩いて、島内を見学するという形式がとられている。

「解禁期間はおそらく、毎年4月~10月ぐらいになります。5月、10月ぐらいが天候的に絶好の見学時期だと思いますよ」(同)

建築物は錆び、古色蒼然としているものの、どこか高度経済成長期の息吹を感じさせてくれる軍艦島。そんな不思議空間に、足を踏み入れてみる?


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