温暖化も砂漠化も夜の地球も再現

地球一の会社で出会った最新地球儀のディープな世界

2009.05.25 MON



撮影協力/渡辺教具
世界一。いや、地球一。そんな企業が埼玉県草加市にあるという。なんでも、創業71年の渡辺教具では、多彩な地球儀を世界に送り出しているのだとか。噂の地球儀をこの目で確認すべく同社に赴くと、渡辺美和子社長に案内されたのは30以上の地球儀が並ぶ一室。

「地球儀は、一般的に地勢型と行政型の2種類です。学校でよく見る青系色の地球儀は前者。後者は、国々を茶系色で色分けし、人口など行政的な情報が記してあります」

そうはいっても、社長! 部屋を見回すとコレら、地球儀の域を超えてません?真っ黒な海と深い青の陸地に都市や油田の黄色い光が点在する「夜の地球儀」は、夜間の地球の明るさにビビらされるし、宇宙から見た地球を再現した「スカイテラ」には雲も浮かんでる! あ、日本の南西に台風まで。200年間の地上温度の上昇を赤の濃度で示した「赤い地球儀」なんて、燃えるような赤色が伝える地球温暖化のヤバさに恐怖すら覚えます。色弱の人に配慮したユニバーサルデザインの「銀波」、マゼランやペリーの航路がたどれるものまで、時空を超えた地球儀の世界奥深すぎる!

「地球儀を通して、現在の世界状況を伝えたいんです。『夜の地球儀』では光の強さで各国の経済状態がわかりますし、緑地地帯と砂漠地帯を明確に色分けし、飢餓や紛争地域なども記した『緑の地球儀』は、森林の減少が見渡せるでしょう? 人工衛星やコンピューターが発達し、あらゆる情報が手に入るいま、情報を詰め込んだ地球儀はいくらでもできる。でも、それではメッセージが届かない。重要なのは、情報のチョイスなんです」

地球儀が多様化したきっかけは、少子化による教育現場での需要低下だ。そこで2000年、市場拡大を目指してターゲットを絞った開発を開始した結果、いまでは購買層の9割が一般ユーザー。現在、デザイン会社と組んで白黒で色分けされたスタイリッシュな地球儀も開発中である。

部屋から地球に思いを馳せれば、一人の夜も寂しくないかも?


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