海賊撃退などの海上警備で注目

火災報知器の十数倍の音?“音響兵器”の威力を体感!

2009.05.28 THU


「海上自衛隊が長距離音響装置でソマリアの海賊を撃退!」というニュースを耳にした人も多いかもしれない。今年2月には日本の調査捕鯨船が、同じ装置を使用して環境保護団体を退散させたという話もあった。この装置、特殊なスピーカーらしいが、本当に相手を退散させられるのだろうか? 代表的な長距離音響装置「LRAD」の販売代理店を兼ねる警備会社ライジングサンセキュリティサービスで実物を見せてもらった。

「LRADは、アメリカの一流音響メーカーが、米軍の支援を受け開発したものです。1000Xという最上位機種の場合、最大125デシベルの音波を、30度の角度で1km先まで送ることができます」(ライジングサンセキュリティサービス担当者)

ちなみに、125デシベルは体感的には火災報知器が発する音の十数倍の強さになるそうだ。というわけで、百見は一聞に如かず。早速、装置の近くに立って警告音を流してもらった。その距離わずか5m。防音のため、イヤーマスクをつけたのだが、ボリュームをちょこっと上げただけで、鼓膜が悲鳴を上げ、頭がキンキンし、体全体が音の波に襲われる。こ、これはもう絶対にムリっ!  退散っ!

「長距離音響装置は、法律的解釈では、武器ではなく警告・警備目的の装置として位置づけられていますが、軍事学的には、殺傷を目的としない『非致死性兵器』に分類されます。非致死性兵器は、冷戦終了後の90年以降、多発する独立運動や暴徒化したデモ隊を殺傷せず鎮圧するために開発されました。長距離音響装置が特に注目を集めている理由は、海上警備に非常に有効だからでしょう」(軍事評論家の野木恵一氏)

たしかに、これなら遠距離から使用できるし、催涙ガス弾などのように地面がないと使えないといったこともない。また、警告目的以外にも、大規模イベント会場の警備などでも威力を発揮するという。基本的な構造は、スピーカーと一緒なのだが、要は使い方次第ということか。


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