ラーメンのない人生なんて…

第2回 東京でラーメン一杯の相場700円の謎

2009.06.15 MON

ラーメンのない人生なんて…

そのわけはやっぱり調理の速さでしょう。

のれんを潜って、客「ラーメンください」。
すると奥から「ラーメン一丁」が聞こえて、
3分以内に目の前にラーメンの器が現れる。
この速度に日本男児はハマるんです。

日本の男は気短さが特徴なのかもしれない。
食事にしても、祭りにしても。

茶漬け、鮨、焼鳥、串カツ etc.
短時間でできる新鮮な、そして美味いたべもの。
それが日本男児が好むラーメンです。

季節ごとの祭りも、短い時間で新鮮なうちに執り行い、楽しむ。
これが日本男児のやり方です。

麺のゆで加減、チャーシューとねぎのコラボ熟成された
とんこつスープ。ああーたまりませんな。

投稿者:こーちゃんさん(山口県/男性/51歳)

読んでいるだけで、いますぐラーメンが食べたくなってきました。
やっぱり、ラーメンのない人生なんて、想像もできませんよね!(強引)

というわけで、第1回は「ライフ&マネー」の「ライフ」=人生に
フォーカスしましたが、第2回は「マネー」の部分、つまり、
ラーメンの「値段」について、考察してみたいと思います。

昔から、「ラーメンは大衆の食」なんていわれますけど、
グルメ志向・こだわり職人志向が勢いを増す昨今。
ラーメンはまだ、ボクらのお財布にやさしい食べ物なのでしょうか?

ラーメンの価格の移り変わりから、経営する店側の裏事情、
さらに激安ラーメンの秘密までをリサーチしてみました!
筆者が所有するラーメンガイドブック群。ラーメンフリークには“黒本”として親しまれているガイドブックの古典『ラーメンBEST100』(ぴあ)は1993年発行ですが、こちらの掲載メニュー平均価格は638円。時代の流れを感じますなぁ

東京でラーメン1杯の平均プライスはおいくら?



みなさん、ラーメン1杯の値段っていくらぐらいが適正だと思います? 個人的には、ワンコイン(500円玉)だと安いかといって、1000円札を1枚出すとなると、ちょっと二の足を踏んでしまうぐらいの相場観ですね。ではさっそく、ラーメンの平均的なお値段を調べてみましょう。

商品・サービスの価格を調べている「小売物価統計調査」(総務省統計局)によると、東京都区部「中華そば(ラーメン、豚骨系を含むしょう油系味)」の平均価格(2009年5月)は588円ナリ。同じく庶民的フードのカレーライス755円、すし(にぎりずし/江戸前/並)1358円と比べて、かなりリーズナブルですよ。ヨッ! 外食業界の優等生! 

もちろん、これは低単価がウリのチェーン店も含んだ平均価格ですね。じゃあ、雑誌やガイドブックなど、各メディアのラーメン特集で紹介されるクラスのラーメンとなると、どうでしょう?
文中でコメントをいただいた西尾さんが手がける「中華そば」(700円)。地鶏と天然魚介ダシが織りなす醤油スープに、トウモロコシ粉入りの自家製麺が絶妙にマッチ!
ラーメンガイドブックシーンで石神本として親しまれている『石神秀幸 極うまラーメン2009-2010』(双葉社)に登場するラーメン店の平均価格を計算してみると754円でございました。やっぱり、こだわりラーメンはちょい高めですね。都内に4店舗を構える「ラーメン凪グループ」で店長を務める西尾了一さんに、お店側からの意見を聞いてみましょう。

「値段を決めるときはめちゃめちゃ悩みましたね。うちの店では1杯700円で提供しています。ラーメン業界では1杯の値段はタクシーの初乗り料金が相場といわれているんですよ。東京23区内でいうと、ラーメン屋さんの基本メニューは600~700円台がボリュームゾーンじゃないでしょうか。一杯750~800円台のラーメンも登場してきているようですが、お客さまはちょっと割高感を感じてしまうかも」

現在の東京都区内のタクシー初乗り料金は710円。なるほど、ラーメンガイドブックの相場観(754円)と符合しますね。タクシーとラーメン。一見、あまり関連のなさそうな商品・サービスの料金がなにげにシンクロしていたとは、思わぬ発見でした。

どちらも、10円、20円でも微妙に値上げされると敏感になっちゃうもの。ラーメンって、ボクらの生活に密着した「ソウルフード」なんだなぁ~と、あらためて痛感させられた次第なのです。
価格の優等生として知られる卵。近年、ラーメンのトッピングとしてはトロットロ食感の「半熟味付け玉子」が定番人気だ。ちなみに、生の状態だと「卵」、加熱などで調理済みのものは「玉子」という表記になる

爆安すぎてチト心配…290円ラーメンが成立するワケ



街を歩けば、「390円」「290円」をウリにした激安ラーメン店が目にとまります。100円バーガーや380円牛丼にも負けないコストパフォーマンスで、腹ペコ&寂しいサイフのボクらのハートをビンビン刺激してくれるわけで。いや~、ラーメンってありがたい存在っス!

でも、ラーメンって原価はいくらなんでしょ? 飲食店の平均的な材料費比率は30%といわれます。ボクら消費者としては「材料費はお値段の3割」と聞いたら「ナヌ!?」って気になりますが実際に店舗経営に携わるラーメン職人に聞いてみましょう。

「確かに、ラーメンの材料費は30%が平均的でしょうね。しかし、人件費にテナント料、スープを煮込むためには水道・光熱費、丼や箸などの消耗品費、厨房機器など、店をつくるための初期投資も償却しなきゃならないんですよ。あと、飲食業界では『FLコスト』という経営指標が重要視されます。これは価格のうち材料費と人件費がどれだけを占めるかを見るもので、『60%以上だと経営的に厳しい』といわれますね。ウチの店? 食材は厳選したものを使っていますけど、店で働いているのは僕一人ですからね(笑)。FLコストはなんとか標準値以内に抑えられています」(ラーメン凪グループ・西尾了一さん)

た、大変そうですね、内幕は。しかし、そこで気になるのが、冒頭で例に挙げた激安ラーメンチェーン。実は、290円ラーメンを前面に打ち出している「幸楽苑」、390円ラーメンで勝負する「日高屋」(運営はハイデイ日高)とも、実は東証一部上場を果たしている優良企業なんです。流通ジャーナリストの金子哲雄さん、儲けのカラクリやいかに?

「秘密は『集客商品』と『収益商品』の品揃えにあります。お客さんを吸引する『集客商品』として激安ラーメンを前面に出し、儲けるための『収益商品』として餃子などのサイドメニュー、トッピングがあるのです」

ボクの場合、ラーメンを単品でオーダーすることってめったにありません。「100円なんだから、トッピングに味付け玉子も頼んじゃおう」「ガッツリ食べたいから餃子も一緒にね♪」なんてことがしばしばあります。

「こ れは一般論的な数字ですが、工場で大量生産される餃子の原価は1個約4円。調理の光熱費を含めても5円程度でしょう。1皿5個入りとしても原価は25円。 それを160円で売ると原価率は15%そこそこ。一般ラーメン店でもトッピングの味付け玉子は100円程度しますが、原価は12円程度です。これが収益商 品としては効力を発揮しています。大きな買い物をするときはコストパフォーマンスに敏感になる私たちも、小銭には意外と無頓着なものなんですよ (笑)」(金子さん)

激安ラーメンの裏にはシビアなコスト計算、商品戦略があるわけですね。人生ドンブリ勘定で生きてきたボクも、大いに参考にさせてもらおうっと。 外食産業は冬の時代が到来しているといわれますが、
どっこいラーメンは活力一杯! な現状がわかった気がします。

しかし、当レポートを読んでくれたみなさんは、
ラーメンにいくらぐらいなら出してもいいと思っているのでしょうか? 

「基本、ラーメンは600円台っしょ!」
「1杯3000円の超高級ラーメンを食ったぜ!」

などなど、ラーメン料金についてもご意見をどしどしお寄せください!

また、当連載に解明してほしい「ラーメンの謎」などもありましたら、
投稿欄からコメントをガッツリとお願いいたします。

さて、次回も丼の中の小宇宙ラーメンに
どっぷりと浸かって、記事を展開していきますよ。

いや~、ラーメンってホンットにいいものですね~。
では、また!

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