暗い気分の時に出ちゃうけど…

つくと幸せが逃げていく?「ため息」の秘密を解明!

2009.06.18 THU



イラスト:河井克夫
「ハァーッ」「ため息つくと幸せが逃げてくよ」。こんなやりとりをよく見かけるが、そもそもため息は何のために出るのか。存在としては地味すぎないか。気になったのでいろいろと調べてみても、科学的な機能や効果についてはまったく情報が得られない。その秘密を解明しようと、専門家に話を聞いた。

まず、訪れたのは首都大学東京教授で呼吸のメカニズムに詳しい北 一郎先生。

「うーん、なかなか難しい質問ですね。ただ、人間の自律神経には興奮時に活動する交感神経と安静時に活動する副交感神経があります。副交感神経のひとつに呼吸情報をモニタリングする迷走神経というのがあって、これがため息の秘密を解くカギでしょう」

いわく、肺のふくらみが悪かったり、血中酸素が少なくなった場合に、ここから「呼吸をしろ」という指示が出るんだとか。

疲れていたり暗い気分のときによく出ますが、それはどういうことですか?

「そういうときは、概して姿勢が前屈みだったりして、肺が十分にふくらまないことが多いでしょう。呼吸のリズムも悪いはず」

おお、なるほど。ところで、似た現象のあくびとの関連性はどうなんでしょう?

「あくびは脳の視床下部にあくび中枢があることがわかっています。ここを刺激すれば、たいていの動物はあくびが出る。いずれにせよ、ため息もあくびも神経回路こそ違いますが、正常な呼吸に導くためのリセット装置なのかもしれません」

深く頷きながら、もう一人、武蔵野大学非常勤講師で「ため息健康法」の提唱者として知られる原山建郎さんのもとも訪れた。

「ため息は無意識に出てしまう身体知による呼気反射。一方、意識的に行う深呼吸は頭脳知による呼吸動作。換気という目的は同じにせよ、ため息のほうが体の要求にダイレクトに応える所作だといえます」

結論としては、ため息をついても幸せは逃げていかない。むしろ、心のリセット法として、体の声に耳を傾けてどんどんつけばよい。そういうことでした。


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