ミシュラン★★店も納得の高品質

LED駆使して1日・1万株!「野菜工場」最新テクノロジー

2009.07.06 MON



写真提供/三菱化学
野菜を工場で作る。そう聞いたら、「日照りの時は涙を流し」と詠んだ宮沢賢治も驚くだろう。しかし、温度、光量、水、栄養分などをコンピューター制御する野菜工場は、いまや国内各地に約50カ所。一部のレタスはミシュラン2つ星のレストランでも使われているという。

先駆けはキユーピー。主力商品のマヨネーズやドレッシング類と関係の深いレタスなどを安定供給するために研究してきた。

「1号機の完成は1986年。現在、福島県のTSファーム白河では1400平方メートルの栽培面積で毎日4500株のレタスなどの野菜を出荷しています」(広報室・竹内綾子さん)

一般の露地栽培のものと比べて価格はやや高いものの、屋内で生産しているため農薬を使用する必要がなく、細菌も少ないため、洗浄工程が省けるなどのメリットも。初期の設備投資に4億円ほどかかったが、すでにトータルでは黒字化している。

また、最近はカゴメ、JFEライフなど様々な業種からの参入も続いている。なかでも、三菱化学は太陽電池で発電したLED(発光ダイオード)照明を当てて野菜を栽培するというハイテク技術を開発した。

「太陽光を効率よくエネルギーに換える技術とともに、野菜の成長に必要な光だけを当てることで消費電力を抑える仕組みになっています。また、将来的には有機薄膜系と呼ばれる太陽電池への置換を狙っています。これは、従来のものより軽量で低価格なのが特徴」(担当執行役員・星島時太郎さん)

このシステムは、農業ベンチャー・フェアリーエンジェル(京都府)の福井工場が導入。レタスやルッコラなどの葉ものを中心に1日1万株、25毛作(!)の生産態勢だ。

「野菜工場は空いているオフィスや工場の有効活用にも。都会の若者が電車通勤で農業ができる時代も近いかもしれません」(同)

経済産業省は3年後の工場数を3倍に増やしたいと考えている。狙いは就農人口増や自給率アップ。初期コストがかかる、根菜類の栽培が難しいなど課題は多いが、野菜工場が担う「食」の未来は大きい。


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