獲れる魚とダシの違いがポイント?

「東は濃味、西は薄味」説の真相とルーツを徹底検証!

2009.07.06 MON



写真提供/石川県加賀市北前船の里資料館
誰もが耳にしたことがある「東は濃味、西は薄味」説。代表的な食品として挙げられることが多い、うどんを例にとると、実際に日清食品の『どん兵衛』は1976年の発売当初から東西で味付けを変えているという。

「基本のつゆ、ダシ、醤油のベースは同じですが、東日本ではカツオダシの割合を多くして濃口醤油で仕上げ、西日本では昆布ダシの割合を多くして薄口醤油を用いています」(日清食品ホールディングス広報部)

ほかにも「東は濃味、西は薄味」の料理は数多い。そもそも東西で味の嗜好が異なるのはなぜ? 大阪研究家で、東西の比較文化に詳しい前垣和義さんに聞いた。

「味の嗜好の違いが生まれたのは江戸時代のこととされています。それまで、食を含めた文化の中心は関西だったのですが、江戸幕府によって関東がひらけていくにつれ、東西の食文化に違いが生じたのです」

前垣さんによれば、味の違いの鍵になるのが、獲れる「魚」と好まれる「ダシ」の違い。

「関東で主に獲れる魚は北から周遊してくるカツオなどの赤身魚が多く、こってり味。一方、関西は瀬戸内海などで育ったタイなどの白身魚が多く、淡白な味。これが土地柄から出る違いです。さらに重要なのが、航路がなかったため、江戸後期になるまで関東には昆布が広く流通しなかったこと。カツオダシに比べ、昆布ダシは食材を煮ても味と色が強くつかず、食材本来の味と色を大切にする関西で好んで用いられました」

このため、関東は濃厚な赤身魚の味と色に合うカツオダシメインの濃い味、関西は繊細な白身魚の味と色を引き立てる昆布ダシメインの薄味、と違いができたのだそう。

「江戸中期、関西の味に合う醤油として、色が薄くて優しい風味の薄口醤油が兵庫で開発されたことも大きいですね」

ちなみに関東では「薄口醤油」と書かれがちだが、関西では昔から「淡口醤油」と書くのが普通。グローバル化が進む現代でも、食文化は依然としてかなり違うようだ。


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