スズメバチは黒服がお好き?

夏のアウトドアで効果大虫よけカラーのメカニズム

2009.07.16 THU



写真提供/木下充代(総合研究大学院大学)
友人と歩いていたら、彼だけにやたらと虫が寄ってきた。むこうの服は黄色で、こちらはグレー。「服の色のせいだ」と彼は言っていたが、はたして色で虫を引き寄せる/引き寄せないが分かれたりするのだろうか?

「我々に見える色を基準にしていえば、黄色が最も虫を集めるという実験結果が出ています。実際に黄色は、害虫をおびき寄せて駆除するスティッキートラップにも使われています」とは、昆虫学の研究者である、東京農業大学の岡島秀治教授。

虫と色の関係を考えるうえで重要なのが「花」。例えばチョウやミツバチといった虫たちは、花に集まる性質があり、カラフルな服を花だと思って近づいてくる。特に黄色は、タンポポや菜の花など、様々な花に見えるうえ、空の青ともコントラストが強く、飛びながらでも識別しやすいようだ。

「これはアゲハチョウを使った実験ですが、色のついた紙に甘い水を塗り、しばらく与えていると、やがて彼らはその色をめがけて飛んでくるようになる。これは何色でも同じ結果になります。つまり虫たちは、色の見分けができるわけです」(同)

ちなみに昆虫の視力はヒトの100分の1程度で、全体的にぼやけて見えるというが、人間の目では感知できない紫外線を見ることができる。例えばオスメスの区別がつきにくいモンシロチョウも、彼らの目から見れば、ハネで紫外線を多く反射するメスの方がより白っぽく映るのだ。

「虫たちが色に引き寄せられる場合は、エサやすみか、異性を求めてやってくることがほとんど。なので、変に刺激しない限り、攻撃される心配はありません。ただし、例外はスズメバチ。彼らは黒に反応しますが、これは天敵であるクマの色。黒と見るや、攻撃を仕掛けてきます。夏はキャンプなどで山や川に行く機会も増えますから、頭髪をタオルで覆い隠すなど、黒い部分が見えにくい格好を心がけてください」(同)

身近なのに、ミステリアス。虫の世界って奥深い!


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