珍グルメ探偵団

第1回 鶏肉に近い味!? ヘビを喰らう!!

2009.07.31 FRI

珍グルメ探偵団


画像提供/財団法人日本蛇族学術研究所 日本人にとって、最も身近な毒ヘビであるマムシ。マムシの毒は、血液や筋肉中にその毒が入ってしまうと有害ですが、飲みこんだ場合は毒素が胃で壊れるため無害なんですって。これはコブラなど他の毒ヘビも共通で、食べられないヘビはほとんどいないそう。とはいえ、素人が捕まえようとするのは大変危険なので、絶対に「獲って食おう!」なんて思わないように

昔は普通に食べていた!?日本人にとってのヘビを食べる文化とは?



田舎のあぜ道や山道などに、突如、シュルリと現れるヘビ。どちらかというと「ヘビは苦手」って人が多いのではないでしょうか。最近は、ペットとしてヘビを飼う人もいるようですが、やはり食べるとなるとねぇ。我々日本人にとって、ヘビ=食べるものという印象は非常に薄いような気がするのですが、実際どうなんでしょう?

「確かに、現在の日本ではヘビを食べる習慣はほとんどありませんね。しかし、江戸時代のころは、日本でもマムシやシマヘビなどはよく食べられていたんですよ。当時の人々は、牛などを食べることはありませんでしたからね。ヘビは貴重なタンパク源のひとつとして重宝されていたんです。また、ヘビは食べられる動物のなかでも、比較的簡単に捕まえることができるものでしたから、特に山あいの地域ではわりと頻繁に食べられていたようです」

と、教えてくれたのは、ヘビ類の研究を行っている、財団法人日本蛇族学術研究所の所長・鳥羽通久さん。ちなみに、当時の人々はどのように調理して食べていたのですか?

「江戸時代以前はヘビの肉も食べていましたが、明治時代に入り、肉食が盛んになってからは、乾燥させて粉末にしたり、マムシ酒を作ったりと、漢方薬としての利用がメインだったはずです。まぁ、なかには肉の代わりとして食べていた人もいるかもしれませんが、中国や台湾のように、スープや鍋などに入れて、食材のひとつとして食べることは少なかったと思います」
画像提供/財団法人日本蛇族学術研究所 こちらもマムシ同様、日本でもよく見られるシマヘビ。ちなみにシマヘビは無毒。でもやっぱり、不気味ですよねぇ…
なるほど。中国や台湾では現在でも普通に食べられているのでしょうか? 

「そうですね。中国や台湾、韓国などでは今でも食べられていますよ。なかでも、中国では食文化として根づいているように思います。中国の屋台などでは、様々な種類のヘビが普通に売られていますからね。胆のうと血はお酒に入れて、肉はスープや鍋、唐揚げなどにして食べるのが一般的です。また、日本でも陸上自衛隊では、サバイバル訓練の一環として、今でも食べていますよ。時々、うち(日本蛇族学術研究所)からもおすそ分けしますし」

ヘビのおすそ分けですか! ところで、気になるお味のほどは?

「鶏肉に近い味ですよ。ヘビの肉には、旨味成分であるアミノ酸が豊富に含まれていますし、薬として用いられるくらいなので、栄養価も非常に高いんです。ただ、田んぼで農薬を使うようになったことで、ヘビのエサであるカエルが激減し、それにともなって日本人が食べていたマムシやシマヘビの数もかなり減ってしまったので、なかなか獲ることができず、今では高価で稀少な食材になってしまいました。また、今のような飽食の時代では、ヘビを食べなくとも、牛や豚、鶏などで動物性タンパク質は摂れますからね。需要もあまりないため、ヘビ料理が食べられるところは非常に少なくなってしまったと思います」

今後、ヘビの捕獲量はますます減り、今よりもうんと高価になってしまうらしい。そうなる前に、食べておきたい。鳥羽さんに、どこかに食べられるところはないのですか? と尋ねたところ、研究所に併設している『ジャパンスネークセンター』(群馬県太田市藪塚町)では、マムシのフルコースや姿焼きを食べることができるそう! ちなみに、そこには世界各国から様々なヘビが集結しているとのこと。ヘビを食べられるうえに、ヘビを知ることもできる。これは行ってみる価値アリかもしれません。
『マムシ姿焼』。写真の手前が頭で、奥がしっぽです。その上にあるのがヘビの卵。メスの場合、1匹につき、5~7個ほど卵があるそう。本日いただいたマムシは全長30cm程度の日本産。中国産のものは、日本産より細長く、40cmくらいなんですって。最後は、お皿に残ったタレにお湯をかけて、スープとしていただきました。美味!

味は鶏肉、は本当か!?マムシとシマヘビを食らってきた!



かつては日本でも貴重なタンパク源のひとつとして食べられていたヘビ。しかし、明治以降、肉食文化が発達し、ヘビを食べずとも動物性タンパク質が摂取できるようになったこともあり、徐々に日本ではヘビを食すという文化がなくなっていった。また、近年では、農薬の影響でヘビのエサとなるカエルが減り、それにともなってヘビの数も減少して、巷ではなかなか食べることが難しくなっているそう。

しかし、このたび、そんなヘビを食べる文化について教えてくれた、財団法人日本蛇族学術研究所の所長・鳥羽道久さんの話によると、群馬県太田市藪塚町にある『ジャパンスネークセンター』では、今でもヘビ料理が食べられるとのこと!

ということで、さっそく東京は東京メトロ北千住駅から東武線の特急りょうもう号に乗り換えて、藪塚町に行ってまいりました!

東武桐生線藪塚駅から徒歩10分のところにある『ジャパンスネークセンター』。こちらは、ヘビ料理を食べられることはもちろん、コブラやブラックマンバなど、世界に生息する様々なヘビを観賞することもできる、まさにヘビの王国なのです。

園内に入り、毒蛇温室や大蛇温室などをぐるりと見回ったのち、いざ食堂へ。食堂の扉を開けると、この日は平日だったせいか、お客さんは一人もいない。

コの字型のカウンター席につくと、さっそく、食堂の料理長である早田さんに「ヘビ、食べます?」とメニューを渡された。今日は平日なので、用意できるのは『マムシフルコース』と『マムシ姿焼』(どちらも松4000円、竹5000円、梅6000円)の2品だそう。

早田さんによれば、『マムシフルコース』はマムシの肉がハンバーグになってしまうとのことなので、私は姿焼きをオーダー。すると、「ハイ、今日作るのはこれね」と、まだ生きてうねうね動いているマムシを目の前に出してくれた!(もちろん早田さんが押さえてくれます)  

そして待つこと5分。まずは、先ほどまで生きていたマムシの大動脈からしぼった血に、これまたとれたての心臓と胆のうを入れ、白ワインで割った食前酒なるものをショットグラスで出されました。

「心臓と胆のうはニガイから、噛まずに一気に飲み干してね」。恐る恐るにおいを嗅いでみると、白ワインで割ってあるせいか、フルーティな香りしかしない。言われるがまま一気に飲み干すと、喉の奥で心臓、もしくは胆のうの異物を感じつつも、やはり香り&味ともフルーティ。でも、心なしか、胃袋がカッカと熱を発しているような。

さらに5分ほど経って、『マムシ姿焼』が登場。お皿には、皮を剥ぎ、砂糖&醤油で蒲焼き風に味つけされたマムシの姿焼きと、その卵、そして肝が盛られていた。まずは、卵を口に運んでみるとうまい! 口の中でプチンと外側の皮がやぶけたあと、ジワ~っと濃厚な黄身が広がっていく。鶏のちょうちん(卵巣)みたいな味と食感です。お次は、いよいよマムシ肉に挑戦味、食感とも、これはタレ焼きの鶏皮! 周りはパリパリとしていて、弾力のある肉を噛みしめるとジューシーな肉汁(マムシ汁?)とともに、甘辛いタレが広がっていく。と、最後は肝。このクニュクニュとした食感はあ、あれだ、貝ひもみたいだ。全部うまーい! どれもビールが飲みたくなるお味です。
こちら、ご厚意で調理していただいたシマヘビの塩焼き。個人的には、マムシよりシマヘビの方が美味しいと感じました。ちなみにマムシは軟骨なので、骨ごと食べられますが、シマヘビは硬骨なので、骨抜きしてから調理するそう。また、マムシは一年中食べることができますが、シマヘビは入荷していないこともあるので、事前に問い合わせた方がいいですよ
と、あまりにも私がマムシの味に感動していたせいか、早田さんが「シマヘビも食べてみる?」と。ぜ、ぜひ!! 待つこと10分。細切りにしたネギと一緒に炒めたシマヘビの塩焼きが出てきた。マムシよりも肉厚なシマヘビの肉は、まるで新鮮なホルモンのようなお味。かといって、クセや臭みはまったくない。弾力のある歯ごたえとネギのシャキシャキ感が、また見事にマッチ! これ、本当に味つけは塩だけなんですか?

「そうですよ。ヘビは筋肉質だし、アミノ酸とカルシウムがとても豊富だから、塩だけでそんな味になるんです。シマヘビの旬は、4、5月と9、10月の冬眠前後。マムシは暑くなればなるほどうまくなるんだよ。9月なら、生まれたばかりのマムシの子をおどり食いできるよ」(早田さん)

とのこと。う~ん、9月になったらまた来たい! ヘビには滋養強壮があるといわれているので、夏バテにもいいし、疲れたときやダルいときに食べると一気に元気が出るそう。味は確かに鶏肉に似ているけど、ジューシーさは鶏肉よりはるかに上! さらに栄養価もかなり高い。近所にお店があったら、毎日でも食べたくなる。ヘビはそんなお味でした。みなさんも機会があったら、ぜひ一度チャレンジを! やみつきになるはずです。 いやぁ、ヘビはうまかった! 
なんで巷で食べられないんだろうと、悔しさを抱くくらい。
クセとか臭みとか、本当にまったくないので、抵抗感なく食べられます。

ただ、生き血にはぎょっとしました。
シマヘビを食べる前にも、マムシ同様、
生き血(心臓&胆のう入り)の入ったショットグラスを
カーッとあおったわけでして。

ちなみに白ワインで割るのは、放っておくと血が固まってしまうため、
それを防ぐために入れるんですって。

そして、実はこのあと、マムシの唐揚げも出していただき、
さらにはマムシ酒までごちそうになりまして。
なので、計3本(?)、ヘビを食してきたわけです。

マムシ酒は、母親の化粧ポーチを嗅いだときのような香りがしました。
草っぽいというか、花っぽいというか。飲み口は焼酎なんですけどね。

と、まさに体当たりで進めていく今回の企画。
今後も、果敢に珍グルメに挑んでいく次第です!

「こんな変テコなもの食べました!」「うちの地元ではこんなもの食べてます!」
など、みなさんからの情報もお待ちしております。
個人的にはホビロン(かえりかけのアヒルの卵)を食べてみたいので、
できれば東京近郊で食べられるところをご存じの方は
ぜひとも情報を提供してください! お待ちしております!

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