珍グルメ探偵団

第2回 官能的な味!? 各種脳みそ食べ比べ!

2009.08.14 FRI

珍グルメ探偵団


イラスト/小野寺奈緒 映画のなかでは、みなおいしそうにスプーンですくって食べていましたが…。脳みそを生で食べることが“食文化”として、一般的に根づいている地域はないんですって

猿の脳みそシャーベットは実在するの…?脳みそを食べる人々とは?



ハハリソン・フォード主演の映画『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』に、悪党たちが猿の脳みそのシャーベットを食べるシーンが出てきます。そのシーンを観た幼き頃の私は、衝撃のあまり、その後数日間、シャーベットが食べられなくなりました。そして、大人になった今でもシャーベットを目にするたび、そのシーンを思い出します。でも、実際に、そんなものを食べている民族は世界のどこかにいるのでしょうか?

「さすがに、生で猿の脳みそを食べる民族はいないと思いますよ(笑)。私も世界各国の変わった食文化を調べてきましたが、実際に生で食べたという話は聞いたことがありませんし。確かに、南米では猿を食べる文化があるので、脳みそも食べているでしょうけど、火を通してから食べるというのが一般的です」

と、教えてくれたのは『世界奇食大全』の著者、杉岡幸徳さん。他にも脳みそ料理を食べる地域はあるのでしょうか?

「中国や中東、ヨーロッパでは、現在でもよく食べられています。中国では、豚の脳みそを蒸したり、焼いたり、フライにしたりして食べますし、ヨーロッパではフライにしたラムの脳みそにソースをかけて食べたり。また、中東でも、羊の脳みそを焼いたり、煮たりして食べています。肉食文化の歴史が古い国や地域では、一般の家庭でもごく普通に食べられているものなんです」

なるほど。だから、日本ではあまり見かけない料理なんですね?

「そうですね。ただ、日本でも東北では、イノシシやウサギ、クマなどの脳みそを調理して食べる地域がありますし、和歌山県などクジラが獲れる地域では、クジラの脳みそを食べる文化があります。また、日本でも、縄文時代には脳みそを食べていたはずですよ」

ちなみに、味はどうなんですか? やっぱり白子っぽいのでしょうか?

「ねっとりしていて、ちょっと生ぐさい感じですね。確かに、白子には似ていると思います。あと、種類によっては豆腐のような味のする脳みそもあります。動物の肉自体、味や香りが異なるように、脳みその味も様々ですが、基本的に濃厚で官能的な味ですよ」

豆腐!? そして、官能的!? 見た目からはまったく想像がつきませんが。思考や行動のすべてを司る器官だけに、その味わいも複雑なのでしょうか。ちなみに、杉岡さんのイチオシは豚の脳みそらしいです。

脳みそ料理で食の官能に浸る、かぁ。ちょっと体験してみたいかも。
こちら、豚の脳みそ炒め『紅焼猪脳』。脳みそのひとかたまりは、大小ありますが、大きいもので直径5cmほど。噛みちぎってみると、中は真っ白なんです! 今回食べたなかで、一番パンチがあったかも…

やっぱり味は白子なのか!?鶏、豚、クジラの脳みそ3種食べ比べ!



ちょっと生ぐさくはあるものの、ねっとりとしていて官能的な味だという脳みそ。なんだか、食の好奇心がそそられます。その味わいに舌鼓を打ってみたい! と、脳みそ料理を食べられるお店を探してみたところ、東京都内にも意外と多い。ということで、さっそく3つの脳みそにチャレンジしてきました! 

最初に足を運んだのは、新宿三丁目にある『新宿今井屋本店』。こちらでは、鶏の脳みその冷製を食べられるとのこと。4つの小皿に小さじ1/2程度くらいが盛られ、わさび醤油、うずら醤油、ポン酢醤油、酢みそで味つけされた鶏の脳みそ『ブレイン』(1000円、1日5皿限定)が登場。見た目は、レバーペーストをほぐしたような感じです。さっそく、わさび醤油から味わってみるとねっとりとした舌ざわりで、ちょっと磯くささにも似た風味が広がっていく。これは、カニミソ! わさび醤油のせいかもしれませんが、カニミソの味に似ている。うずら醤油を食べてみると今度はなぜだかアンキモっぽい。でも、鶏レバーのような感じもする。ポン酢醤油は完全にアンキモフレーバー。酢みそはタレの味が強いものの、やっぱり同じ。おそらく、あまりクセがない分、味つけによって様々な風味が楽しめるんだと思います。

お次は、豚の脳みそです。歌舞伎町にある『上海小吃』で、豚の脳みそ炒め『紅焼猪脳』(1500円)に挑戦。ネギとともに炒めた辛みそ味の脳みそを食べてみるとと、豆腐だー! よく水抜きをした絹豆腐のようなふわふわっとした食感。白子っぽくもあるけれど、白子より水っぽさがなく、またクセも少ない。ただ、ちょっとこちらは見た目がかなり脳みそなので、なんとなーく気が重たい。いや、味はまったく問題ないんですけどね。
クジラの脳みそ料理。手前が『脳みそ揚げ出し』で、奥が『脳みそポン酢』です。揚げ出しは、食べ慣れている味つけのせいか、最も抵抗感なく食べられました。まずは、クジラの脳みそからチャレンジしてみるとよいかもしれません
最後は、同じく歌舞伎町にある『樽一』でクジラの脳みそを味わいたいと思います。クジラの脳みそ料理は、生の脳みそをポン酢でいただく『脳みそポン酢』と、揚げ出しにした『脳みそ揚げ出し』(どちらも790円)の2種類があるというので、2つともオーダー。まずは生の脳みそから。食感はとろりとしていますが、アンキモのような濃厚なお味。そして、まわりに皮のようなものが付いており、これがくにゅくにゅとした食感を生み出すせいか、酒盗のような感じもする。お次は揚げ出し。サクサクとした衣のなかから、とろーりと温かい脳みそが出てきて、これはこれでまたおいしい! 日本酒や焼酎がすすむお味です。

と、3種類の脳みそを食べ比べてみたわけですが、食感や味、風味がここまで違うとは、かなり驚きました。そして、どれも濃いぃ! 味自体が濃いというわけではないのですが、なんかこう、いろいろ詰まっている感じがして、一口食べただけでその濃厚さに包まれるような。その感覚が、官能的な味たるゆえんかもしれません。ただ、一気に食べたら鼻血が出そう。なので、お酒のアテにちびちびやるのが、一番楽しめる食べ方のような気がします。お酒好きの上司を誘って食べに行ったら、「おまえ、うまいもん知ってるなー!」と、株が上がるかもしれませんよ。 今回、食べ比べということで、1日で3軒をまわったのですが、
脳みそは一度にたくさん食べてはいけませんね。
胃袋のなかにはブレインストームが吹き荒れ、
なんか、ほんと、鼻血が出そうでした(苦笑)。

しかし、身近なところにこんな珍グルメがあったとは驚きです。
どれも裏メニューとかではなく、普通にメニューに載っていますし。

ちなみに最初に食べた鶏の脳みその刺身は、
生ではなく一度湯がいたものだそう。
ただその調理法はけっこう衝撃的で、頭ごと湯がいたあと、
頭を割って、脳みそを取り出すんですって。
店長さんいわく、「調理する際は、なんともいえないキモチになります」とのこと。
一皿に2羽分の脳みそが入っているので、
私は計8羽もの脳みそを食べたんですねフクザツ。

さて、次回は、ある意味今が旬の珍グルメに挑んでまいりたいと思います!

みなさまからの珍グルメ情報もお待ちしておりますので、
ご意見&ご感想とともにどしどしお送りください!

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト