アレをコレで代用してみたら・・・

第11回 いろんな粉で麺を作ってみた!

2009.08.12 WED

アレをコレで代用してみたら・・・


うどん、そば、ラーメン(中華麺)、スパゲティ、春雨…。僕らが食べている麺にはいろんな種類があるけれど、これらはどんな材料で作られているのでしょう。麺から作る機会はあまりないから、麺自体のことはよくわからなかったりしますよね。

小麦粉はどうやって麺の状態になるの?



僕らがふだんよく食べている麺料理はうどん、そば、ラーメン、パスタ(いわゆるイタリアのスパゲティ麺、マカロニなどです)など、いろんなものがありますよね。これらの麺を自分で作りたいときにはどんな材料が必要なんでしょうか。メインとなる粉は、なんとなく小麦粉が主流かと思うんですが、どうなんでしょう。ABC Cooking Studio 商品開発グループの福原知香さんに教えてもらいました。

「麺のもともとの意味は小麦粉や粉のことで、現在では小麦粉などをこねて作ったうどん・そうめん・スパゲティ・中華麺の総称になっています」

小麦粉が主流というより、小麦粉を使ったものが麺なんですね。では、どうして小麦粉がモチっとして細長い、いわゆる麺の状態に変身するんでしょうか。

「グルテンというタンパク質の一種がかかわっています。小麦粉に水を加えて練っていくと、ふたつのタンパク質が反応して粘りと弾性のあるグルテンを形成するんです。さらに塩を加えることで粘弾性が増し、麺の弾力・コシを生み出しています。通常、麺の状態にするには小麦粉に水を加えてこねてのばしますが、うどんのような日本の麺類は食塩、中華麺はかん水を加えていて、パスタ類は圧力をかけて加熱することで粘性を持たせています」

なるほど。ところで、小麦粉にも中力粉だとか薄力粉だとかあるそうですが、それぞれの麺で使われる粉が違うんでしょうか。

「小麦粉はタンパク質(グルテン)の量によって薄力、中力、強力粉に分かれていて、麺によって使われる粉は異なります。うどんやきしめん、冷や麦は中力粉が使われ、塩や水を加えています。この3種類は麺の太さで名称が分類されているんです。また、中華麺は強力粉、パスタはグルテンを多く含むデュラムセモリナ粉や強力粉が使われています」

料理をほとんどしない僕にとって、小麦粉は全部同じという認識しかなかったんですが、麺を作るにはちゃんとした知識も必要なようです。ところで、そばのように小麦粉がメインではない麺類もありますよね。

「先ほども述べたように麺というと小麦粉を使ったものでしたが、それ以外を使ったものも分類上は麺と呼ばれています。たとえばそば粉を原料とするそば、米粉を原料とするビーフン、ジャガイモや緑豆のでんぷんを原料とする春雨などで、小麦粉以外のでんぷん性食品を使っています」

たとえば、われわれにもっともなじみ深いそばには、小麦粉の入った二八そばもあると思いますが、なぜそばの麺に小麦粉が必要なんでしょうか。

「そば粉にはグルテンになるタンパク質がありません。そのため、中力粉をつなぎとして使用することが多いんです。二八そばなら中力粉2:そば粉8といったように中力粉が使われています。また、ほろほろと壊れやすいので、卵水もつなぎで加えることもあります」

十割そばは小麦粉を使わないため、作るには技量がいるといわれているわけですね。素人である僕らが作るなら、グルテンの効果が発揮される小麦を使った麺の方がよさそうです。もちろん、経験も必要だとは思いますが。
香りも粒の大きさもバラバラな粉で麺作り。果たして、このなかから納得できる麺はできあがるのでしょうか。期待を胸に、麺打ちスタートです。

カレー粉やきな粉で麺作りに挑戦



多くの麺料理のメイン素材である小麦粉がうどんやパスタなどのような麺の状態になるには、小麦粉に含まれているグルテンが重要な役割を果たしているそうです。でも、真夜中、どうしてもうどんを麺から作りたいと突然思いたったとき、十分な量の小麦粉があるとは限りません。万が一、そんな状態に陥ってしまったときに、他の粉を使えないものでしょうか。たとえば、カレー粉とか。これって可能なのか、ABC Cooking Studio 商品開発グループの福原知香さんに伺ってみました。

「カレー粉は粉状ですが、スパイスを乾燥させて作ったものなのでグルテンの働きはありません。そのため、カレー粉のみで麺状のものは作れません。ただ、小麦粉にカレー粉を加えて、カレー味の麺を作ることはできますよ」

なるほど。これなら、どんな粉でもできるかもしれません。そこで、いろいろな粉を使った麺作りに挑んでみました。

試したのは、片栗粉、すりゴマ、カレー粉米粉、きな粉、粉状のパルメザンチーズです。小麦粉(中力粉)との割合は思い切って二八そばと同じ中力粉2対その他の粉8で、カレー粉だけはカレーライス麺を目指して米粉も入れ、中力粉2:カレー粉4:米粉4の割合にしています。

こね鉢の中で中力粉と合わせ、つなぎとして卵水を加えて練っていきます。これがかなりの力作業で、腰が痛くなりました。ゴマとチーズは比較的早くひと塊にまとまったものの、他の粉はなかなかひと塊にならず。練っても練ってもボロっと2つや3つに割れてしまって先行きが不安になります。

次は麺棒を使って薄くのばす工程です。ここでも粘りが足りないのか、薄くすると生地が割れてしまいました。麺棒、コマ板、麺切り包丁など、道具はちゃんとしたものを使ってるのに、麺を切るために生地を折ると折り目で割れてしまうなど、結局どれもかなり短い太めの麺に。不器用なのも理由でしょうが、やはり粉がいけないのでしょうか。さっきまでは順調だったゴマとチーズも、薄くできないどころか、くっつくのを防ぐ打ち粉も効果がなく、上と下の生地同士がくっついてしまいました。さらに不安になりますが、あとは茹でて食べるだけです。その結果は。
上段左からゴマ、片栗粉、きな粉、下段左からチーズ、カレー粉/米粉。どれも見た目は芋ケンピのように見えなくもないし、ゴマとチーズはもう麺とは言えない見た目になってしまいました…。粉以前に製麺技術に問題があったような…。でも、この際、見た目より味で勝負です。
・ゴマ麺
茹でた時点でボロボロと麺のかたちが崩れ始め、3分ほど茹でたあとではもはやただのゴマの塊に。香ばしいゴマの味わいはいいのですが、とにかく見た目から麺ではありません。湯気をあげるその様は、まるで溶岩です。

・片栗麺
少しくっついてしまったものの、麺のかたちはしっかり残りました。食べてみると、かなり硬いです。味、食感とも団子汁の団子に似ています。ゴマだれと合わせると、かなりの美味。粉自体の味にくせがないのがいいのかもしれません。春雨(緑豆)やビーフン(米粉)にでんぷん性の粉が使われていて、片栗粉もでんぷんだけに期待できたのですが、たしかにこれはうまいです。

・パルメザンチーズ麺
茹でると形が崩れ、リゾットのようなどろどろした状態に。味はチーズの味が強く残っているので、おいしいです。ホールトマトのスープに入れて食べてみたら、なかなかのマッチ具合。ただ、これはとろけるチーズを後からかけたものとほとんど変わらないのでは? という気もします。手間をかけたのに。

・きな粉麺
麺としての形はしっかり残り、味はやや甘みがあります。ややボソボソとしていますが、もっちりした食感で、黒蜜を合わせるとまるできな粉餅を食べているような感覚です。たくさんの量を食べるのは少し難しいですが、デザート麺としてかなりいい線を行っているのではないでしょうか。

・カレーライス麺
しっかり麺の状態で茹で上がり、もっちりとした食感もいいです。ただ、カレーライスを想定したのに、米粉の味はどこへやら。香辛料の味が際立ってしまっています。しかし、福神漬けを汁ごと合わせてみると、これがナイスな味わいに。

以上、麺としての形状、食べたときの食感、味を考えると、片栗粉、カレー粉(米粉)、きな粉は麺の材料の代用品としてなかなかいけるかと思います。ただ、作り手の料理の腕の問題もあり、うどんやそばには及びません。また、カレーライス麺は、小麦粉が少なすぎたようです。料理の腕を磨き、比率を調整すれば、さらなる飛躍が望めそうです。ちなみに、ゴマやチーズは、麺にするより、麺料理にふりかけることをお勧めします。 今回チャレンジしたなかで、
片栗粉やカレー粉、きな粉は小麦粉と
合わせることでかろうじて麺を作ることはできました。
が、やはりゴマとチーズは難しいようです。
比率が悪かったのかもしれません。
また、今回初めて麺を打ったので、
技術不足も原因かと思われます。
なかなかの重労働で、
翌日腕が筋肉痛になりました。
でも、手間がかかるほど、
料理は楽しいですね。

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