ラーメンのない人生なんて…

第7回 ご当地ラーメンが増殖し続けるワケ

2009.08.24 MON

ラーメンのない人生なんて…

久々の里帰りを前に読んだら、地元のラーメン、
食べたくなってしまいました(1日1杯が限度ですけどね)。
東京のラーメンもおいしいですけど、地元のラーメンを食べると
なんか安心します。山形の酒田ラーメン、麺がおすすめですよ!

投稿者:fufusobaさん(男性/31歳/東京都)

ムムム自慢できるご当地ラーメンがあるなんて
うらやましいっス! シコシコつるりんとした麺を
存分に堪能されたのでしょうか!?

しかし、酒田ラーメンって、耳慣れないご当地ラーメンですが、
フリークの間ではかなり人気が高い中堅どころのようですね。
味噌の札幌、豚骨の博多などはすっかり定着していますが、
日本全国には、まだまだ未知の麺豪が潜んでいるのかも。

よし、今回は「ご当地ラーメン」にスポットを当て、
ローカル色豊かなラーメン事情を紹介してまいりましょう!
写真提供/新横浜ラーメン博物館 熟成度合いが異なる3つのスープをブレンドして作り出した味は、濃厚でコクがあるのにマイルド! 和歌山ラーメンの重鎮『井出商店』はルックスも艶っぽさがあって美味しそう!

ご当地ラーメンってどうやって生まれたの!?



ラーメンを堪能する代表的な切り口といえば「ご当地」。しかし、最近は札幌、博多といったメジャーどころ以外にも、個性豊かなラーメンがワンサカ登場してきた感があります。結局、ご当地ラーメンって何種類ぐらいあるの? 

「当館ではご当地ラーメンを『郷土ラーメン』と定義し、26種類を選んでいます。これ以外にも小規模なラーメンはありますが、なにぶん定義がないもので。ある程度、地域的に広がっているものをピックアップしました」(新横浜ラーメン博物館ラー博事業部・中野正博さん)

郷土ラーメン。確かに、旅先のラーメンって、ちょっと郷土料理感覚で食べちゃいます。その土地の空気感や旅情もコミで食べるから、無性にウマいんっス! 

「ご当地ラーメンは、その地の人々の口に合うよう改良された『郷土料理』になっています。日本は縦に長く伸びた島国ですから、地域によって気候・風土が多様。結果として、ラーメンという食文化も多彩になるのです」(同)

冬の寒さに耐えるたくましさを感じる札幌ラーメン、豚骨100%が九州男児らしい一本気な博多ラーメン、つるりと食べられる粋な醤油の東京ラーメン。確かに、ラーメンはその土地の気風を雄弁に物語っています。
新横浜ラーメン博物館では、北は北海道旭川ラーメンから南は九州熊本ラーメンまで、精鋭9店のご当地ラーメンをラインナップしている
しかし、日本初のラーメン店が登場したのは1910年のこと(※当連載第1回参照)。たかだか100年しか歴史がないのに、どうして26種類以上ものラーメンに分派したのでしょう? 

「ご当地ラーメンの誕生には2つのパターンがあります。背景にあるのは関東大震災と太平洋戦争。ひとつは、震災で住居をなくした中国人が各地に移住し、母国の味をその土地に合うように改良していったパターン。それが繁盛し、のれん分けや模倣によって広まった、という流れです。もうひとつは、戦後中国から引き揚げてきた人たちが、中国人に習った麺料理を地元で提供し始めたパターン。私も多くの地域を取材してきましたが、郷土ラーメンのルーツはこの2パターンがほとんどです」(同)

各ご当地ラーメンは中国からノウハウを直輸入し、栄えていったわけですか。中国四千年の力、恐るべし! 

そしてもちろん、懸命にラーメンを進化させ続けてきた先人にもリスペクト! あらためて、ラーメンが持つ生命力を感じた次第です!
写真提供/はんつ遠藤 『三竹寿』(沖縄県)のつけ麺。六厘舎出身の店主が、修業先にも負けないインパクトある一品を編み出した

今、もっとも注目すべきご当地ラーメンはどこ?



ご当地ラーメンといえば、札幌? 博多? それとも喜多方?――なんて時代は今や昔。燕三条背脂ラーメン、富山ブラックなど、聞いたこともないご当地ラーメンが次々とメディアに登場しています。

今、ご当地ラーメン最前線はどうなっているのか!? 週刊誌連載やテレビ番組リポートのレギュラーを多く抱え、1カ月の半分を全国食べ歩き取材に費やすフードジャーナリスト、はんつ遠藤さんにご登場願いましょう。

「燕三条背脂ラーメンは、極太麺に大粒の背脂がたっぷり振りかけられたコッテリ系、富山ブラックは文字通り真っ黒な醤油ラーメンです。最新のご当地ラーメン事情は面白いですよ。つい先日、札幌を訪れましたが、注目の新店は非札幌系ばかりでした。東京では数年前にご当人ラーメン(クリエイティブな職人を前面に出した店)ブームが到来しましたが、この流れが全国にも波及し始めたのですね。特に、つけ麺は全国的に大人気です。濃厚豚骨魚介のつけ汁に魚粉を振りかけて提供する『六厘舎』(大崎)出身の職人たちが、札幌や沖縄に店を出し、いずれも大行列を作っていますから」

味噌ラーメン文化が開花した札幌で、すば文化の沖縄で(※「すば」=沖縄そば)、東京流つけ麺が大ブレイクだって!? 地方のオール東京化は、もはやラーメンにまで及んでいるのでしょうか。
写真提供/はんつ遠藤 こちらが、はんつさんイチオシのご当地ラーメン「須崎鍋焼きラーメン」。鍋焼きうどんの要領でラーメンをコトコト煮込み、じんわりとあったかい一杯を作り上げる
「それは、ひとつの進化の形でしょう。決して目立ちませんが、それぞれのご当地では、老舗が確固たる味を守っており、昔ながらの良さを感じさせてく れます。他方で、若いラーメン職人は伝統をベースに、一手間、二手間かけて新たな味を創造している。たとえば、飛騨高山ラーメンの名店『豆天狗』では、かの地の特徴であるキリッとした醤油味を守りつつ、流行のつけ麺をライトな醤油テイストでまとめました。現店主の明確な志を感じます」(同)

なるほど! ネオご当地ラーメンとでもいうべきスタイルが、全国のそこかしこで誕生しているわけですね。う~ん、今すぐ地方遠征に出かけたくなっちゃいました。全国を巡ってきたはんつさん、イチオシの一杯を教えて!

「ズバリ、高知県須崎市の『鍋焼きラーメン』です。ご覧の通り(※写真参照)、鍋でグツグツ煮込んだユニークなラーメンです。だけど、これがすごくおいしい! スープは鶏ベース。細麺もコシがあって絶品です。そうそう、鶏チャーシューも歯ごたえがあって、コリコリとした食感がたまらないんだよなぁ」(同)

スト~ップ! あまりに麺欲をそそるコメント、たまりませんって! 原稿執筆が終わったら、今すぐラーメンひとり旅にも出たいところですよ。

ともあれ、昔ながらの伝統を守り続ける店あり、果敢に攻めへと打って出る店あり。全国のラーメン事情も、ますますごった煮状態で面白くなってきているのは言うまでもないっス!! 知れば知るほど食べたくなる! 

それがラーメンという食べ物が持つ魔力。
今回ほどストレスフルな取材はありませんでした(笑)。
だって、名だたるご当地ラーメン、ウワサの名店をご紹介いただいても、
お店ははるか遠方にあるため、なかなか行けないんですよ。

しかし、ご当地ラーメンの進化ぶりには驚きました。
アツいラーメンブームをしっかりと支えているのは、
全国に張り巡らされたご当地ラーメン網の力なのかもしれません!

ご当地ラーメンをフィーチャーしてお送りした今回、
あらためてラーメンという食文化の幅広さ、奥深さを体感した次第です。

さて、次回のテーマは
「ラーメンをウマそーに撮影するコツ」を取り上げたいと思います。
今回のレポートの感想も含め、みなさんからの投稿をお待ちしていますよ!!

いや~、ラーメンってホンットにいいものですね~。
では、また!

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