珍グルメ探偵団

第4回 田んぼにいる生き物を喰らう!

2009.09.11 FRI

珍グルメ探偵団


イラスト/小野寺奈緒 木の枝で釣り竿を作って、スルメイカをエサにザリガニを釣ったり、タニシを捕まえてバケツで飼ったり…。ほんと、小さいころはよく一緒に遊んでいました

遊んでいたのは私たちだけ?カエル、ザリガニ、タニシは食材ってほんと?



カエル、ザリガニ、タニシといえば、幼いころ、捕まえたり、ときにはイタズラをしたり(今思えば心が痛みます)、一緒に遊んだ経験のある生き物なのではないでしょうか? 私にとっても彼らは絶好の遊び相手でしたが、やはりどんなにお腹が空いていようとも、口に運んでみようとは思いませんでした。しかし、大人になって、とあるフランス料理のお店に連れていってもらったとき、私はメニューに『カエル』の文字を発見したことがあります。その瞬間、カエルは食材なのか!?と、目を疑ったのですが。

「カエルを食材として扱う地域は多いですよ。特に、フランスではとてもポピュラーな食材で、魚料理と同じ感覚で扱われており、シチューやフライ、スープなどにして食べられています。日本でもカエルは食べられていたことがあり、『日本書紀』には、吉野に住む国樔人(くずひと)がガマガエルを煮込んでご馳走として食べている、という記述があるんですよ」

と、教えてくれたのは『世界奇食大全』の著者、杉岡幸徳さん。では、ザリガニはどうなんでしょう?

「ザリガニもフランス料理では有名な食材ですし、ブルガリア、中国、オーストラリア、アメリカ南部でもよく食べられています。日本でも、北海道や山形県にはザリガニ料理が存在します。ちなみに、ザリガニの殻からは濃厚なソースが作れるので、フランスではロブスターと並ぶ高級食材として重宝されているんですよ」

あのザリガニが高級食材のひとつとされているとは。もしかして、タニシも高級食材だったりします!?

「タニシは高級食材としては扱われていませんが、日本の稲作農家では、かつて貴重なタンパク源として食べられていました。また、山形県では、お見合いの席でタニシを食べる風習もありました。海外でも、韓国や中国、東南アジアなど稲作が盛んな地域ではゆでたり、スープにしたりして、ごく普通に食べられています」

所変われば品変わる、とはまさにこのこと。かつて邪険に扱っていた(私だけ?)田んぼやドブの生き物たちは、ある地域では立派な食材として、日々の食卓に並んでいるのですね。今後、子どもたちがカエルやザリガニ、タニシで遊んでいるのを見かけたら、「コラ! 食べ物で遊んじゃいけません!」なんて、思わず叫んじゃうかも!?
カエルの唐揚げ。上にはピリ辛のタレがかかっていて、これがまた淡白なカエルとよく合う! 何も言われずに出されたら、カエルだなんて気付かないと思います

カエル、ザリガニ、タニシ幼少期に親しんでいた生き物を食べてみた!



幼少期に親しんでいたカエル、ザリガニ、タニシは、フランスや中国では立派な食材として市民権を得ているほか、日本でも一部の地域ではいまだに食べられているものだそう。そこでさっそく、カエル、ザリガニ、タニシの田んぼオールスターズを食べてみることにしました!

今回、足を運んだのは、第2回の『官能的な味!? 各種脳みそ食べ比べ!』でも登場した、新宿は歌舞伎町にある『上海小吃』。

まずは、カエルの唐揚げ「椒塩牛蛙」(1800円)からチャレンジしてみたいと思います。カラリと衣をまとった、直径2cm程度の唐揚げを口に入れてみると、いきなり骨らしきものを噛み砕いてしまい驚いたものの、味&食感は鶏肉の唐揚げにそっくり! ただ、鶏肉ほどの脂はなく、あっさりとしていて、白身魚のフライを食べているような感じもある。しかし、かじった断面を見てみると、肉のなかに黒い筋のようなものが通っており、「う~んこれは見ない方がよかったかも」と思ってしまった。
こちらはザリガニ。殻はかなり硬く、エビよりはカニの殻に近い。そのため、中身を取り出すにはけっこう苦労しました
お次は、ザリガニの甘煮「小龍蝦」(1000円、金&土曜日限定)をオーダー。運ばれてきたお皿をのぞいてみると、立派なハサミを持った真っ赤なザリガニが8匹ほど盛られていた。小さいころ捕まえていたザリガニよりは大きく、曲がった腰を伸ばしてみると10cm以上はある様子。まずは、頭と身の間の部分を割り、身の部分のかたい殻をむいてみると、予想通りエビにそっくりの身が出てきた。しかし、大きさのわりに身は少なく、小指の先程度。いざ、口に運んでみると、おぉーやっぱエビだ! 蒸しエビだ! ただ、エビよりも柔らかく、甘みも強いような気がする。試しに、頭のなかを箸でほじくってみると、エビミソならぬザリガニミソが出てきたので、これも食べてみたところ、やっぱエビ。エビミソの味。

最後はタニシに挑戦!と思い、お店の方に頼んだのですが、なんと今はタニシの入荷がないとのこと! ガーン。そこで、都内でタニシを食べられると聞いた飲食店を数軒まわってみたのですが、どこも「タニシが手に入らない」らしく、今回、タニシは食べられませんでした。そこで、『世界奇食大全』の著者、杉岡幸徳さんにタニシのお味を伺ったところ、「食感はコリっとしていて、ツブ貝のような味がします。ただ、若干、泥くささがあり、クセのある一品ですよ」とのこと。

と、今回、幼少期に親しんだ田んぼオールスターズのうち、2品(?)を食べたのですが、これまで、ヘビ、脳みそ、セミと食べてきたなかで、一番抵抗感なく食べられました! しかも、どれもおいしかった。ちなみに、タニシも貝を食べるような感覚でおいしくいただけるそう。身近な生き物が実はとってもおいしい食べ物だったなんて、珍グルメの世界はまだまだ奥深そうです。 今回、残念ながらタニシは食べられなかったですが、
カエルとザリガニがこんなにも美味だったとは驚きました。

ただ、どれも食用として扱われているものですので、
田舎の田んぼやドブなどでこれらの食材を見つけたとしても、
捕まえて食べるようなことはしないでください。
ただ、最近は、土壌汚染のせいで、
どれも日本では見かけることが少なくなってきているんですって。

なんだか、珍グルメに関して連載を重ねていくと、
環境問題についても考えさせられます。
第1回で登場したヘビも、土壌汚染のせいで最近は見かけなくなった、
というお話でしたし。

と、最後は少し、しんみりしてしまいましたが、
今後も私の胃袋は珍グルメを求め続けますので、
みなさん、耳よりな情報や感想など、どしどし送ってくださいませー!

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