水曜ムチャ振り実験室

第3回 フォルダの“入れ子”はどこまで可能?

2009.10.14 WED

水曜ムチャ振り実験室

子どもの頃、テレビで「川口浩探検隊」という番組をやっていた。
川口浩というタレントさんが、毎回アマゾンの奥地とか、オーストラリアの巨大洞窟とかに出かけていき、道中でさまざまな危険に遭遇するという。
今思うと、かなりバラエティ色の強いドキュメンタリーだったのだが、子どもの頃の自分は、毎回それなりに興奮し、ちょっとだけ冒険家という職業に憧れたものだった。
あれから幾年月。気がつけば、ほぼ一日中パソコンの前でアクセクと働いたり遊んだりする、およそ冒険家とは程遠い生活を送る大人になってしまった自分がいる。
もちろん、そんな生活も嫌いじゃない。しかし、当時興奮した川口浩さんの雄姿を思い起こすと、もう少し生活の中に冒険があってもいいんじゃないかと思う。
ちょうど、当コーナーのタイトルは「ムチャ振り実験室」。
ならば、普段の自分なら(メンドいので)絶対にしない、地味かつ徒労色タップリの
冒険に繰り出してみようではないか!


机上の冒険とはいえ、何が起こるかわからない。「仕事中に何やってんだ!」と偉い人に殴られる可能性を考えれば、ヘルメット着用は必須だろう

パソコンのフォルダはどこまで“入れ子”にできる?



我々人類が暮らしている惑星、地球。
しかし、地球について私たちが知っていることは、いまだほんの一部に過ぎない。
人類がこれまで踏み入ったことのない密林、深海、巨大洞窟。いったいそこには、なにが待ち受けているのか? といった、壮大な冒険ロマンには及ばないかもしれないが、我々人類の暮らしに役立つパソコンにも、同様の謎と冒険が待ち受けていると思うのだ。たとえばファイルを収納する「フォルダ」。
当然のことながら、動画や文書など、この中にはパソコンで作成した、ありとあらゆる種類のファイルを収納することができる。
そしてファイルの他に、収納したファイルをさらに分類するためのフォルダを作成できるようにもなっている。つまりフォルダの「入れ子」が可能になっているわけだ。
で、このフォルダの中にも、当然のように、さらにフォルダが作成できる。
もちろん、そのフォルダの中にもフォルダが作成でき、さらにさらに。
というように。フォルダの「入れ子」を繰り返した、その果てには何があるのか?
これぞ、まさに「未知の領域」。パソコンに向かいながら実践できる、手軽な冒険である。
そりゃあ、しかるべき関係筋に問い合わせたり、QAサイトを利用すれば、なんらかの答えが得られるのかもしれない。だが、今回のテーマはズバリ「冒険」。
どれだけ前途が面倒でも、自分の手と目で確かめなくて、なにが冒険といえるのか!?
冒険開始早々、まさに想定外の事態に遭遇した筆者。冒険にはハプニングが付き物とはいえ、まさかこんな展開になるとは…この後どうする??
というわけで、さっそく冒険開始。「冒険」と言いながら、危険を冒す可能性が極めて低いのが、今回の冒険の素敵なところであると思ったのだが。
冒険開始にあたり、いきなり大きな問題にぶち当たってしまった。それは
「これ、結果が出るまでに膨大な時間がかかるんじゃね?」という時間の壁である。
通常の方法でこの冒険を行うと(1)フォルダを作成したい場所でマウスの
右ボタンをクリック。
(2)表示されるメニューから「新規作成」-「フ
ォルダ」の順にクリック。
(3)新規フォルダが作成されるので、ダブルクリ
ックしてフォルダを開き(1)の手順に戻る。

という手順を踏むことになる。計測してみたところ、一連の手順にかかる時間は練習しても約6秒弱がいいところ。10階層進むのに約1分かかる計算だ。
最近のパソコン(OS)の高性能ぶりを考えると、1000や2000の入れ子なんて平気の平左でこなしてくれそうな気がする。とすれば、2000個のフォルダを作るとして約2000分。
飲まず食わず連続で作業を続けても30時間以上は余裕でかかる。ていうか、その前に手と目、および精神的にズタボロになるのは必至だろう。これじゃあ、ホントの冒険だよ!!

そこで、なにかよい方法はないかと調べたところ、キーボードだけでパソコンの操作を行う「キーボードショートカット」に役立つものがあることがわかった。これを使えば、

(1)「Alt」「F」「W」「F」「Enter」「Enter」

の順にキーを押すだけで、先ほどの(1)~(3)の手順が実行される(ウィンドウズの場合。「マイドキュメント」など、デスクトップ画面以外のウィンドウ内でのみ実行可能)。
計測すると、これならば約2秒弱でOK。ダメージも常識的な冒険の範囲で済みそうだ。
さぁ、これで準備万端。いよいよ冒険の開始である。
だがしかし。満を持してフォルダを巡る冒険の旅に出た我々ではなく我・探検隊は、
冒険開始早々、思いもよらぬ光景に遭遇するのであった!!!
作業中、突如表示された警告画面。ちなみに、これはウィンドウズXPの場合。Vistaでも文言は違うが同様のメッセージが表示された

フォルダinフォルダの限界は意外に浅い?



「フォルダの中にフォルダを作る」というだけの、まるで旧共産圏の拷問のような、地味かつ徒労でしかない単純作業に、決死の覚悟で飛び込んで行った探検隊だったのだが。
なんと開始から45秒後、最初のフォルダから数えて24個目のフォルダまで入れ子を作ったところで、右の画面とともに、その先に進むことができなくなってしまったのである。

果たして、フォルダの入れ子は、たった24個で終わりになってしまうものなのだろうか? これでは、腕のいいロシアの職人さんが作ったマトリョーシカ程度のビックリ加減である。
ここで気になるのが、探検隊の行く手を阻んだメッセージにある

「ファイル名または拡張子が長すぎます」

という文言だ。これは、いったい何を意味するものなのか??

「それは文字通り、ファイル(フォルダ)につけた名前が長すぎるときに出る警告ですよ」

と教えてくれたのは、パソコン関係の書籍を出している出版社に勤める知人。
以下は、探検隊と知人との会話の採録である。

探「でも、フォルダの名前は『新しいフォルダ』だよ。これって全然短いじゃない?」

知「確かに、ひとつひとつのフォルダについている名前は短いんですけどね。ここで言うファイル名っていうのは、パソコン(ハードディスクなどの記憶装置)の中のどこにファイルやフォルダがあるかを示す『パス名』のことなんですよ。フォルダのウィンドウの上部に『アドレス』欄がありますよね? ここに表示されているのがパス名です」

パス名の例:
d:Documents and SettingsuserMy Documents新しいフォルダ新しいフォルダ新しいフォルダ新しいフォルダ新しいフォルダ新しいフォルダ

要するに、標準的な使い方をしているウィンドウズの場合、パス名の長さに制限があり、環境にもよるが全体で半角240文字(255文字の場合も)以上で警告が出るというのだ。

探「ということは、今回の冒険の失敗は作成したフォルダに『新しいフォルダ』という名前をつけていたのが原因、ということになるのかしら?」

知「ですね。これが半角で「0」など極力短い名前にすればするほど理論上、より深い階層までフォルダを作っていくことができるはずです。さらに言えば、最初のフォルダを作る場所も重要で、『マイドキュメント(d:Documents and SettingsuserMy Documents)』ではなくハードディスクなど記憶装置の直下(d:)にしたほうが、よりパス名を節約でき、フォルダの深さが稼げる計算です!」

と、まぁ無理やりドキュメンタリーチックにする必要もなかったわけだが。
ともかくこれで、探検を再開する準備が整った。今度はアドバイスのとおり、ハードディスク(d:)の直下からフォルダ作成を開始。フォルダの名前は簡潔に最初から「0」~「9」の順で繰り返し数字をつけていくことにする。果たして

その時が訪れたのは、開始から234秒=約4分後。最初から数えて118個目のフォルダまで入れ子を終えた瞬間であった。ちなみに「エクスプローラ」で見るとこんな感じ。
延々と続くフォルダの入れ子たち。いま思ったのだが、ひょっとすると新OS「ウィンドウズ7」では、もっと深い入れ子ができるのかしら?
なんだか可愛いですな。
ちなみに、この場合のパス名の文字数は全体で半角240文字。
まさに予定通りの結末であった。

というわけで。拍子抜けするほどのスピードで終わってしまった今回の冒険なのだが。
冒険を通じ、こんなことがわかったのでご報告しておく。

・フォルダの入れ子は意外とできないものだ。
・とはいえ、こんなに深い階層までしまっておきたいファイルは、多分ないので大丈夫。
・こんなにたくさんのフォルダが入っているのに、サイズは「0バイト」。
・実際に作成作業を進めていくと、深い階層になるに従い、処理速度が遅くなる。
・作成した118個のフォルダをすべて開くには、キーボードからでも1分以上かかる。
・フォルダを開いていく場合でも、深くなるほど処理速度が遅くなり不安な気持ちに。
・使用OSや環境次第では、もっと深くまで入れ子ができる可能性もあるらしい。
・連番を振りながらの作業は結構神経を使う。脳トレになるかも。 今回作成した「入れ子のフォルダ」を、せっかくなのでダウンロードにて読者プレゼントにしようと思ったのだが。知人によればギリギリまで長くしたパス名をもったファイルやフォルダは、場合によってはパソコンのシステムにかなりな悪影響を及ぼす可能性がある、とのことだったので中止した。実は、それなりに危険をともなう冒険だったのだ。
なので、自分でこの記録を塗り替えてみたい、と思った方はあくまでも自己責任で冒険を行っていただきたい、ということを最後にお断りしておく。

その上で「119個以上の入れ子に成功した!」、「俺は2分で118個まで達した!」という方がいたら、ぜひ編集部までご一報いただきたい。ま、特に賞品はないんですけど。

そのほか「エクセルの表組みの下端は何行目まである?」とか「画像ファイルの面積は最大何ヘクタールまで可能?」といった、新たなる冒険ミッションもお待ちする次第だ。

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