ラーメンのない人生なんて…

第11回 ラーメンを彩る名脇役「具材」の進化

2009.10.19 MON

ラーメンのない人生なんて…


『たけちゃんにぼしらーめん 代々木店』の「らぁ麺」はチャーシュー、ネギ、海苔、メンマ、ナルトというクラシカルな具材をトッピング。これぞラーメン! というルックスです

ナルトはどこに消えた?ラーメン人気具材の今昔



トロットロの半熟具合が絶妙な味付け玉子に、噛めば肉汁ジュワーな極厚チャーシュー、ほどよい大きさでぽいっとつまめ、シャクシャク食感が最高なメンマ! ラーメンを食べるときには「具」も大きな楽しみです。

そういえば、白地にピンク「の」の字が鮮やかなナルトも定番具材の一つ。1910年、東京初のラーメン店『来々軒』では、「チャーシュー、ネギ、海苔、メンマ、ナルト」をトッピングしたラーメンが提供されていたそうです。でも、最近のラーメンであまり見かけなくなったのはナゼでしょう? ラーメンジャーナリストの北島秀一さんに聞いてみました。

「ナルトがラーメンの具材として起用されたのは、先行していた麺料理である『そば・うどん』文化からの流れ。醤油色の濃いスープにおける彩りの役割が大きかったのではないでしょうか。ただ、食感、味の両方でズバ抜けているわけではありません。今の多様化したラーメンに入れる必然性はあまりない。復権は難しいのでは?」

では、ボクをはじめ、みんなが大好きな(言いすぎ?)「味付け玉子」はどうでしょう。半熟スタイルが登場し始めた90年代ごろから、トッピングメニューとしては磐石の人気を誇っている気がしますけど。

「もともと、汁物系麺類と玉子の相性は抜群です。さらに、白・黄色の色合いが醤油や味噌の濃い色のスープにバッチリ映える。このため、ラーメンの彩りとしての地位をナルトから奪ってしまいましたね。人気の半熟味玉ですが、作り方は実に単純。しかし、家庭で少量を作るのは手間がかかります。それをラーメン店で100円程度で食べられたら、割安感もあってうれしいですよね」(北島さん)
写真提供/北島秀一さん 北島さんが目を見張ったという『eiji』(札幌)の「濃厚魚介豚骨醤油」。チャーシュー近辺に焦げ茶色に見えるのが魚介ジュレです。うまみ、香りがギュッと凝縮されており、食べ進めるにつれ、スープに溶け出していく~!!
激しく同意! +100円ですから、ボクもたいてい味玉をトッピングしちゃいますもん。しかし、不動と思えるラーメンの具材にも栄枯盛衰がありますね。日本全国のラーメンを日々食べ歩いている北島さん、最近注目の具材ニューカマーは!?

「最近、『eiji』(札幌)のラーメンで見かけたジュレ系の具材が面白い。彩りはもちろん、味の変化も期待でき、凝った工夫だと思いますよ。仕込みの手間があるため、業界に広く浸透していくのは難しいかもしれませんが、期間限定メニューなどで起用するお店は、今後増えてくるのではないでしょうか」

肉や魚介系の汁を冷やし、煮こごり状にした「ジュレ」ですか。スープの熱でしだいに溶け、スープに変化をもたらす時限爆弾的な効果も期待できるのはスゴい。これぞラーメントッピングのダブルインパクトですね~。今後も、イノベーションがどんどん進むラーメン具材シーンから目が離せません!
写真提供/マッハさん 「比内地鶏脂の油そば」は『音麺酒家 楽々』(吉祥寺)の人気メニュー。クオリティの高い比内地鶏の鶏脂をふんだんに用いており、芳醇な香りが楽しめる

ラーメンの新食法「飯割り」をやってみた!



チャーシュー丼にチャーハン、話題の卵かけご飯などなど、ラーメン店のサイドメニューといえば、ご飯ものが根強い人気です。

しかし最近、ラーメンブロガーの間では、ある食べ方が話題呼んでいるとか。すぐさま開発者(?)のマッハさんにコンタクトを取り、その新手法を教えていただきました。

「油そばなど、スープの少ないラーメンを食べ終わった後、残った汁にライスを投入し、食べるスタイルですね。僕は飯割りと名づけましたが、今ではブロガーや店主さんの間にじわじわと広がっているようです」

つけ麺では、つけ汁が余ったら、スープで割ってもらうスープ割りがあります。また、ラーメンでも残ったスープにライスを入れ、おじや風にして食べる方もいます。ラーメンはただ食べるだけではなく、ボクらがカスタマイズして食べられるのも魅力ですよね。では、飯割りは? さっそく、マッハさんに直撃同行取材を敢行! 『音麺酒家 楽々』(吉祥寺)にて、鶏のリッチな香りと脂のまったり加減が絶妙な「比内地鶏脂の油そば」の飯割りを実況していきましょう。

「僕は油そばが大好きで200~300杯ほど食べてきましたが、丼に残った汁を見ると、どうにもくやしくって、この食べ方を編み出したんですよ。フレンチ、イタリアンでは、ソースがたっぷりある料理で、残ったソースをパンにつけて平らげる食べ方がありますよね。あれと同じだと思ってください」(マッハさん)
マッハさんが飯割りする場面を激写! 底に残った油をご飯によくからめることで、汁ご飯的な魅力が生まれるのだ
マッハさんに習い、筆者も初めて「飯割り」にトライしてみるとうん、麺とからむときには濃厚さが際立ち、攻撃的だった脂が、ご飯に合わさることでグンとマイルドに。なめらかな食感で、するすると胃に収まっちゃいます。これは新発見。飯割りオススメです!

「意外とイケるでしょう? これで丼の底の底まで完食できるから、くやしくありません(笑)。チャーシュー丼割り、チャーハン割りという荒技もありますが、油脂のツープラトンで胃腸にダメージが大きい。手練れのラーメン者にしかおすすめはできません」(マッハさん)

メタボっ腹が気になるボクとしては、チャーシュー丼割りは丁重に辞退したいところですが、ノーマルの飯割りは「ラーメンをコースメニューとしてとらえるアプローチ」として高ポイント! やはり、食べ手であるボクらもどんどんスタイルを提案できる。これこそ、自由度が高いラーメンならではのメリットでしょう。

みなさんも、自分なりの食べ方を開発したら、ブログやSNS、Twitterなどのソーシャルメディアで発信してみるのもいいかもしれませんね。 「ラーメンのない人生なんて」第11回は、
「具のないラーメンなんて」的な記事をお届けしました。

やっぱり、「何が飛び出すか分からない」のがラーメンの魅力。
具材を食べる楽しみ、サイドメニューを自分なりにアレンジする楽しみ、
どちらも追求してみたいもの。

ユニークな具材、珍サイドメニューなどありましたら、ぜひ教えてください。
記事に対する感想なども、気軽に投稿いただけるとうれしいです。

いや~、ラーメンってホンットにいいものですね~。
では、また!

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