治っているのにナゼ痛む?

原因は天気? ストレス?「古傷」がうずくメカニズム

2009.10.15 THU



写真提供/アフロ
「古傷がうずきやがるぜ」ってなんだかカッコいいセリフだが、実際に古傷を持っている友人からすると、雨のたびに痛んでつらいらしい。でも、なんで治っているはずの傷が痛むのか?名古屋大学で天気痛を研究している佐藤 純准教授に話を聞くと、交感神経の活動が大きくかかわっていると教えてくれた。

「気圧が低下すると、天気が悪くなり、内耳にあると考えられる気圧受容器が反応します。すると交感神経の活動が活発になり、ノルアドレナリンやアドレナリンが分泌されます。結果、血管の収縮が起こり、古傷周辺の痛覚神経が刺激され興奮し、痛みを感じるという仕組みです。これはラットによる実験結果ですが、人間でも同じような現象が起きていると考えられます」

佐藤准教授によれば、交感神経の興奮はストレスで起こることが多いとのこと。天気が悪くなると古傷が痛む原因もつきつめればストレスが原因なのでは?

「我々の体は、天気の変化でも大きなストレスを感じており、そのストレスが古傷を痛ませていると考えてよいでしょう。ですから、天気以外でも古傷が痛むことはあると思います。事故現場を訪れたり、傷をつけられた相手と会ったりすると古傷が痛むという話も、基本はストレスが原因でしょう」

そもそもケガをして傷をつくると、一見治っているようでも、筋肉組織などは完璧には戻っていないことがあるとか。そのような場所は、血液の流れが悪かったり、伸縮がうまくできないなどで痛みが発生しやすい状態にあり、それを古傷と呼ぶそうだ。また、古傷周辺の痛覚神経は、神経の端に交感神経の興奮を受け取る受容体ができることもわかっている。以前にケガをした個所は、神経レベルでも痛みを感じやすくなっているのだ。

「将来的には、気圧の受容器、内耳の機能を予備的・予防的に調整できるように研究しています」と佐藤准教授。もしかすると、古傷のうずきを予防できる日も遠くないかもしれない。


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