珍グルメ探偵団

第8回 最強!?の害虫、スズメバチを食す!

2009.11.06 FRI

珍グルメ探偵団


イラスト/小野寺奈緒 オオスズメバチは、女王バチの全長が4cmにも達するほどの世界最大のスズメバチ。ちなみに、スズメバチの幼虫は、ガの幼虫などをエサとして与えられるそう。…ガの幼虫って…私前回(第7回)食べたじゃない…。ガの幼虫をエサとするスズメバチを食べる私。THE 食物連鎖! おかしいけどね!

幼虫は白子!? 成虫はエビ!?意外とうまいらしいスズメバチ



今年も全国各地で猛威をふるっていたスズメバチ。そうです、我々現代人にとってスズメバチは恐怖の生き物! もう、羽音だけでイヤ! のはずなんですが、実は日本には、そんなスズメバチを食べる習慣が古くからあるのだそう。

「文献などが残っていないため正確な時期はわからないのですが、かなり昔から日本人はスズメバチを食べてきたんです。特に、岐阜県、愛知県、長野県あたりの山岳地域や、宮崎県の高千穂のあたりでは頻繁に食べられていましたし、今でも食べている人はけっこういるんですよ。これらの地域はどこも海がないうえ、昔は流通が発達していなかったんです。そのため、タンパク質を摂取するための栄養源として重宝されていたんでしょう。スズメバチにはタンパク質やカルシウム、鉄分などが豊富に含まれていますから」

と、教えてくれたのは昆虫料理研究家の内山昭一さん。ちなみにそれって、成虫を食べるんですか? あのぶんぶん飛び回っているヤツらを?

「いいえ、違います。食用として扱われているのはサナギと幼虫のみです。巣をとってきて、中にいるサナギや幼虫を佃煮などにして食べる場合がほとんどでしょうね。ただ、長野県などの中部地方と宮崎県では食べるハチの種類が違っていて、中部地方では小ぶりなクロスズメバチを、宮崎県では大型のオオスズメバチを食べているんです。信州の物産展などに行くとハチノコの佃煮が売られていたりしますし、高千穂では食堂に行くとオオスズメバチの幼虫やサナギの料理が出てきたりしますよ」

なーんだ。じゃあ、成虫は食べないんですね。あぁ、よかった。

「私は食べますよ(笑)。幼虫やサナギはほんのり甘く、クリーミィで白子のようなのですが、成虫は成虫でおいしいんです。バリバリ、サクサクとした食感を楽しみながら、噛むほどに旨みが染み出てくるまるで、エビですね!」

エビ!? いや、ハチですよね。通常、成虫は焼酎などに漬けるだけで、それ自体を食べることはないのだが、内山さんはやはり調理して食べるそう。

こ、これはやはり私も食べる方向ですかね?? ですよね(涙)。
こちら『混ぜごはん』と『お吸い物』です。すっごく引いて見たらおいしそうな2品なんですがね…。箸ですくったらフツーの人はびっくりしますよ。でも、もはや私は平気っす。ハチノコは茶碗蒸しに入っててもうれしいな

お吸い物に、混ぜごはんに…“スズメバチ定食”いただきます!



長野県あたりの中部地方や、宮崎県の高千穂といった山岳地域では昔から食べられてきたというスズメバチ。とはいえ、通常、人々が食してきたのはサナギや幼虫。成虫を食べることなんて皆無に等しいそう。

しかし今回は、そんな成虫だっていただいちゃいます! 昆虫料理研究家の内山昭一さんのご自宅にて、内山さん自ら腕をふるっていただいて! 題してスズメバチ定食です。メインは成虫? それとも幼虫? うぅ普通なら肉か魚かで悩みたい次第。

最初に登場したのは『オオスズメバチの素揚げ』。カラリと揚がったスズメバチの下には、内山さんの料理心か、ご丁寧にキュウリまで添えてありました。続いて、『ハチノコの混ぜごはん イナゴの佃煮添え』(イナゴ、添えていただかなくて結構です)、『ハチノコのお吸い物』が登場し、本日のスズメバチ定食が完成!

まずは、箸ですくうたび、これでもか!というくらいのハチノコが浮き上がってくる、具だくさんのお吸い物からいただきます。一口すすってみるとあら、なんとも繊細なお味。まるで、ハマグリのお吸い物のよう。「これ、何かおダシは入れているんですか?」と尋ねたところ、「少し入れていますが、基本的にハチノコダシですよ(笑)」とのこと。そして、いざ具にとりかかってみたところ、噛むとプチンとはじけて中からにゅるりと身が出てくる濃厚でクリーミィ! かつ、なんかフルーティ。例えるなら、ちょっとフルーティな白子ですよ! 

お次は、混ぜごはんです。こちらはハチノコが佃煮にされているせいか、ごはん自体に甘い佃煮の味がうつっており、昆布の佃煮を混ぜたごはんとほぼ同じ味。しかし時折、にゅるっとしたハチノコや成虫になりかけている子どもバチの硬い食感にぶつかり、「あぁ今食べているのはハチでしたよね」と現実に引き戻される。いや、でもこれはとってもおいしいです! 抵抗感なく食べられます。
スズメバチ、ドーンッ! 「食事中かい?」とでも問いたくなるような佇まい。いや、食べるのは私だ!
最後は、本日のメインディッシュである素揚げ。第3回で食べたセミ同様、こちらもまんまハチ。キュウリの上に横たわり、大きなおめめでこちらを見ています(揚がっちゃってるけどね!)。覚悟を決めて一口でパクリ! バリッ!! かった~いでも、うまぁ~い! そう、とても香ばしく、噛むたびにじゅわ~っと旨みが広がっていく。確かにエビ! エビのしっぽを揚げたやつとか、頭の部分とか、そんな感じです。

「ハチ、うまいっすね~!」と、ごはん粒一つも残さず、スズメバチ定食を見事完食! そう、スズメバチはうまい! しかも、幼虫と成虫で味と食感が違うため、同じスズメバチといえども様々な味の広がりを楽しむことができるのです。ちなみに、気になる毒ですが、今回いただいたのはどれもオスのスズメバチだったので、毒もなければ針もないんです。そもそもスズメバチの毒は、胃袋に入れてどうこうなるというものではないんですが。とはいえ、スズメバチを捕まえるのは超危険!ですので、ハチノコの佃煮など調理後のもので楽しんでください。 2回連続でお届けした昆虫食。
いかがでしたか?

これまで様々な珍グルメに挑んできましたが、
正直、虫が一番おいしいんですよ!
私の舌にはグッとくるんです!!

そして、なんと、この連載も残すところあと2回。
最終回は食の領域を越えたテーマで
お送りしようと考えているのですがね。ふふふ。
(って、いつもか)

とりあえずは次回です! 
次回は、どんな珍グルメが私の胃袋と、
みなさんの食への好奇心を満たしてくれるのでしょうか!?
乞うご期待!

もちろん、みなさんからのご意見&ご感想もお待ちしていますので、
どしどしご投稿ください! 待ってます!!

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