珍グルメ探偵団

第9回 海に潜む珍生物のお味とは!?

2009.11.20 FRI

珍グルメ探偵団


こちらエイリアンの怪物のモデルとなったワラスボ。ぎょへー…確かに食べ物とは思えないほどグロテスクな顔。あえて食べなくてもいいじゃない…

“エイリアン”? “ケツの穴”? 見た目のグロさはピカイチな海の珍グルメ



いまだに、その生態系や環境に多くの謎を秘めた海。3億6000万平方キロメートルにも及ぶ面積を持ち、地表の約7割を占めてる水の世界は多様な生命を育む食材の宝庫。今回はそんな知られざる海に潜む珍グルメに挑みたいと思います。でも、ひとくちに海といったって、かーなーり広いっ。せめて日本にいながら食べることができる珍グルメがどこかの海に潜んでいないのでしょうか?

「有明海ですね。ここは閉ざされた海とも呼ばれており、様々な生物が独自の進化を遂げているんです。そのため、ここにしかいない生物も数多くいて、他の地域では見たことがないような魚はもちろん、ゲテモノ系の食材も多いんですよ」

と、教えてくれたのは『世界奇食大全』の著者、杉岡幸徳さん。ちなみに、どんな食材があるのですか?

「ワラスボや海茸(うみたけ)、イソギンチャクなんかは、地元以外では変わった食べ物として扱われているのではないでしょうか」

え? イソギンチャクって食べられるの!? でも、それ以前にワラスボ海茸って何??

「ワラスボとは日本では有明海にのみ生息しているハゼ科の魚で、見た目はウナギのような細長い体形なのですが、その顔といったらかなりグロテスクで。小さな目と、牙が生えた上向きの口を持つせいか海のエイリアンと呼ばれています。映画『エイリアン』の怪物のモデルはワラスボ、なんて噂もあるくらいなんです。現在では、干したものをあぶったり、熱燗をかけてヒレ酒のようにして飲んだりしています。見た目はグロくても魚なので、干し魚のような味がしますよ。そして、海茸は海藻なんかをイメージするかもしれませんが、殻のやわらかいニオガイ科の二枚貝で、これも日本では有明海以外ではほとんど見られません。これも見た目はかなりエグいです。殻から黒褐色の太い水管がのびており、その姿はまるで大きな貝に人間が頭をつっこみ足だけが出ているような感じですよ(笑)」

うへーキモチワルゥ。ちなみに海茸は、殻からのびている水管部分を食べるんですって。お味はちょっとくさみ&苦みのある貝の味だとか。そして、イソギンチャクですが、こちらも有明海近辺では煮たり、天ぷらにしたりしてよく食べられている食材らしく、地元ではわけのしんのすと呼ばれているそう。

「わけのしんのすとは若い衆のケツの穴という意味なんです。まぁ、これも見た目からついた名前です。ソックリみたいですよ、ケツの穴に(笑)。味はというと、磯くさく、苦みが強いらしいです」

海産物って、普段は心躍るくらい食べることが楽しみなのに。これらの海産物に関しては食欲がまったくわいてきません! いくらフィールドを移そうと(これまでの陸地から海へ)、珍グルメの道は厳しいのですね。
これが『わけのしんのす』です。う~ん…いくら調理後とはいえ、やはり不気味な佇まい…。しかーし! 味は文句なし!!

ワラスボ、海茸(うみたけ)、イソギンチャク有明海に潜む珍グルメを食す!



閉ざされた海とも呼ばれる、九州の北西部に位置する有明海。ここでは様々な生き物が独自に進化を遂げているうえ、ここにしか生息していない生き物も数多くいるのだとか。なんとそれらは、地元ではれっきとした食材! そこで、今回は有明海が誇る珍グルメの数々を食してみたいと思います!

このたび、足を運んだのは、東京都は港区新橋にある『有薫酒蔵』。産地直送で、九州の郷土料理を提供している新橋の人気店です。

最初に運ばれてきたのはイソギンチャクをしょうゆで薄味に煮た『わけのしんのす』(700円)。わけのしんのすとは若い衆のケツの穴という意味で、その見た目からついた名前ですが、出てきた一品はホルモンのコブクロのように筒型でコロンとしてる。ひとまずニオイをかいでみると、磯の香りがスゴイ! いざ口に運んでみたところかなりシャキシャキとした歯ごたえにビックリ! 中華料理店で食べるクラゲのような食感です。お味はというと、サザエの肝のようなほんのりとした苦みと磯くささがあるものの、噛んでいくうちに甘みが広がり、しかもイソギンチャク自体がトロリとしてくる。何これ!? すっごいおいしい!
こちら『海茸』。見た目もホラ、さきイカみたいですよね? これもうまかったぁ~。「大人になったなぁ…」としみじみしてしまうほど、いぶし銀的な味わいっす。あ、ちなみにワラスボの写真を見たい方は前編へドウゾ!
お次は、海のエイリアンと呼ばれているハゼ科の魚・ワラスボの干物を焼いた『わらすぼ』(600円)。30cmほどの細長い胴体の先には、下あごがそり上がり牙の生えた口がパックリと開いた不気味な頭がくっついているー! 確かに、これはエイリアンです。とはいえ、香ばしい匂いが漂っているため、何のためらいもなく口へ運んでみると「あれ? これって魚の干物の味じゃん」と、若干拍子抜け。うるめいわしとか、ししゃもとか、そういった小魚の干物の味です。グロテスクな見た目からは想像できないほどの食べ慣れたお味に、これはこれでビックリ。

そして最後は、ニオガイ科の二枚貝、海茸(うみたけ)の干物をあぶった『海茸』(1000円)。こちらも盛りつけ済みのため、見た目はさきイカのよう。口に含み、噛み切ろうとしたところんににぃすごい弾力! まるでゴム!! 最初は少し苦みがあったものの、噛んでいくうちにじわじわと干した貝やイカのような旨みが染み出てきてこりゃ日本酒や焼酎が進みますな!

と、有明海に潜む珍グルメ3種を食べてみた私は、「やっぱ海産物はうまい!」という結論にたどり着きました。日本人だからでしょうか? どれもなんとなく苦みや臭みがあるのですが、それでもやっぱりおいしいと感じる。しかし、『有薫酒蔵』の女将、松永さんの話によると「どれもおいしいんですけど、現在、地元九州ではほとんど食べられていないんです。有明海の海洋環境の変化にともない、年々漁獲量が減り、手に入れることがかなり難しくなってしまったんですよ」とのこと。なんと! 私はまたしても貴重なグルメ体験をしたようです。興味を持ったみなさんはぜひ! でも、確実にお酒が進んでしまうお味なので、翌日の二日酔いにはご注意を(笑)! 珍グルメといえども、なんだか今回は普通においしかったです(笑)。

これまで虫や土、ペニスなんかを食べてきている私は、
「これって、ジャンル的に食べ物じゃないよね?」
みたいな食材じゃないと、もはやひるんだりしないみたいです。
(そんな自分、イヤだけど)

当連載の第1回ではヘビを食べまして、
当時はかなりビビっていましたが、今ならペロリは確実ですね。
「うわー! ヘビじゃーん、ごちそうじゃーん!」ってな感じで。

と、この半年でだいぶたくましくなってしまったゲテモノ女子・河野ですが、
なんと次回でそんな私の珍グルメ紀行は終了です。
長い間、ありがとうございました。

最後は、かなりパンチの効いた食材で
有終の美を飾りたいと思っておりますので、
楽しみにしていてください!

もちろん、みなさんからのご意見&ご感想もお待ちしていますので、
どしどしご投稿くださいね!

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