水曜ムチャ振り実験室

第6回 「うまい棒」は自作できるのか?

2009.11.25 WED

水曜ムチャ振り実験室


うまい棒の主原料となる「コーングリッツ」。通常のご家庭では、コーンブレッドやイングリッシュマフィンを作る際に用いる優雅な食材らしい…

「うまい棒」の本体はどうやって作ればよい?



要するに「うまい棒」の美味しさをご家庭でも。という願いから志願した今回の実験。
しかし調べてみると、その試みは完全なるムチャだということが早くも発覚! うまい棒の命ともいえる、あのサクっとした食感を出すためには、「パフマシン」などと呼ばれる専用の高価な機械が必要らしいのだ。原料となるコーンを高圧かつ高温で圧縮加熱したのち、外気に触れさせることにより気圧差で急激に原料が膨張で、あの食感が生まれるという。もちろん、パフマシンは個人で手に入るレベルの値段ではない。とはいえ、実験を断念するのは口惜しい限り。なんとか己の手により、あの「うまさ」を再現してみたい。

まずは原料から。先ほども記したとおり、うまい棒の核となる原料はコーン。実際には、コーンの粒を荒く砕いた「コーングリッツ」を使うようだ。食材店で購入すると500グラムで500円程度。いきなりうまい棒が50本買える値段だ。しかし挫けず、コーングリッツを水でこねる、こねる、こねるのだが。これが、全然まとまってくれないんですな。まぁ、粒の粗さを考えれば当然のこと。きっとマシンを使えば、無理くりまとめあげられることができるのだろうが、ここは知恵をめぐらし、つなぎとして、さらにキメの細かい「コーンミール」もあわせて投入。こちらのお値段は500グラムで50うまい棒くらい。すでに100うまい棒ものコストがかかっている。意味ないな~我ながら。

どうにかまとまったところで、今度は膨張のプロセスにチャレンジ。イメージ的には、油で揚げちゃえば、なんとなくそんな感じになりそうなものなのだが。
結果は驚異的な大失敗。膨張どころか、黒く硬く、そしてひたすらにまずい!
ならばと今度は電子レンジ、そしてオーブンで再チャレンジしたのだが、結果はどれも五十歩百歩。当初の予定では、さすがに本家とまではいかなくても、ポップコーンの要領で、なんとか膨らむんじゃないかと思ったんですがねえ。
アドバイスを受け、メレンゲづくりにいそしむ筆者。まるでケンタロウみたいだ。この写真を見てうまい棒を作っているとは、誰も気づくまい
しかし、ここで挫けないのが筆者の偉いところ。と自分で自分を励ましつつ、知恵を絞って考えていたところ。その様子を見かねた奥さんからアドバイスが。

「なんかふんわりしたものを最初から混ぜちゃえばいいんじゃない?」

なるほど!! さすがは日ごろから料理に親しんでいる女性の意見。確かに、シフォンケーキやスポンジケーキのふんわり感は、卵白を泡立てた「メレンゲ」の力によるところが大きいと聞く。ならばコーングリッツとメレンゲをあえて揚げたり焼いたりすれば、それらしい味になるんじゃないか??

急いで卵(6個で15うまい棒くらい)を買ってきて、メレンゲづくり。慣れない作業に手こずりつつも、なんとか真白く泡立てたメレンゲを、コーングリッツに混ぜる。
おぉ! なんかこれは、ちょっといい感じじゃないの? ふんわりとしてて、揚げたらいかにも、うまい棒っぽくなりそうな感じ。

というわけで、いそいそと揚げ油に投入したところ!!
これがあなた、実にどうも、ねえ(微笑)
コーングリッツとメレンゲを混ぜた材料をオーブンで乾燥焼きに。どうです、なんだか本物っぽく見えませんか?

自作うまい棒完成??味付けはどうする?



10円出せば買える「うまい棒」を、あえて自分で作ってみようという今回の実験。
前編までに、250うまい棒以上の投資と数時間にわたる試行錯誤を経て、ついにコーングリッツとメレンゲを混ぜ合わせる、という奥義に到達。ふんわりと仕上がった材料を、中温の油へ投入してみたところおぉ!

思った通り、プワっとふくれる材料。これは期待が持てそう!!
こんがりきつね色になったところで揚げ鍋から引き上げ、アツアツをパクリ。
「う、うまい!!」いやマジで。外はカリカリ、なかはふっくら柔らかで、コーンの風味も豊かにって。確かにうまいことはうまいのだが、これは明らかにうまい棒とは別の味わいである。試合に勝って勝負に負けた。まさにそんな感じ。

しかしまだ道はある。今度は同じ材料をオーブンに入れる。火加減は「焼きメレンゲ」のレシピを参考に、150度程度の温度でじっくり30分ほど。いわゆる「乾燥焼き」である。
オーブンの前で待つこと30分。取り出してみれば、これはまさにうまい棒っぽい感じ!!
これまたアツアツをパクリすると!!
「う、うまい??」うーん。正直、うまいと言い切るには微妙な味わいだが、食感はかなりうまい棒に近づいたような気がする。本家のサクサク感を100とすれば、完成した自作うまい棒は、ひいき目も入れて50程度のサクサク感、といったところか。コーングリッツとメレンゲの比率を変えたり、焼き方にさらなる工夫をこらせば、もうすこし本家に近づけることもできそうな気もするのだが、今回はひとまずここで妥協。次なるプロセスである「味付け」に進もう。
ついに完成した自作のマイ「うまい棒」。見た目的には、意外とイケそうな感じがするでしょ? 味のほうは…まぁまぁ、ってとこでした
今回チャレンジしたいのは、筆者最愛の「とんかつソース味」。うまい棒のパッケージに記載された原材料名を見る限り、味の主成分となっているのは「ソースパウダー」「かつおパウダー」「トマトパウダー」といったあたり。そこで「とんかつソース(20うまい棒)」「かつお粉(30うまい棒)」「ドライトマト(50うまい棒)」を購入。この他、家にあった塩、砂糖、うまみ調味料など、それらしいものを混ぜ合わせ、本家の味再現を開始した。ちなみにドライトマトはおろし金ですりおろし粉っぽくしている。結果はうーむ。
なんとなく、それらしい味になることはなるのだが、本家と比べるとまったくもってパンチに欠ける感じ。なんともお上品すぎるのだ。しかしめげずに試行錯誤。その結果、塩と砂糖を心配になるほど投入することにより、ある程度のパンチを引き出すことに成功した。おそらく、スナック菓子がもつ独特なパンチは、過剰なまでの味の足し算によるものなのだろう。

焼き上がった「うまい?棒」に、完成した「とんかつソース?」を塗りつけて、再度オーブンで乾燥。かくして、350うまい棒以上のコストと、丸一日をかけた試行錯誤の末に、念願の自作うまい棒が完成した。せっかくなので、本家の袋に入れ一口かじってみる。
「」
あんなに美味しい本家の「うまい棒」が10円で買えるんだから、ニッポンっていい国なんだなあと、つくづく思いましたね。 やっぱり、うまい棒を自宅で作るのは無理!
というのが、今回の結論ではある。やはりお店で売っている食べ物には、それだけの価値と理由があるものなのだ。しかし、丸一日の試行錯誤によって作り上げた、マイうまい棒も、本家からは程遠いものの、意外といい線いってたんじゃないの? という気がしないでもない。もし、今回紹介した方法以外に、うまい棒を自作する方法を知っている、という方がいたらぜひとも編集部までご一報いただきたい。筆者も、いつの日か、完全なるマイうまい棒を目指し、再チャレンジをしたいと思っていますよ。ちなみに、水曜ムチャぶり実験室は、今回でひとまず終了となります。お疲れ様でした~。

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