西野亮廣エンタメ研究所Voicyより
労働量・クオリティは給料に響かない。キンコン西野が「ジュース」と「サンマ」で解説
新R25編集部
「なんでこんなに働いているのに、給料があがらないんだろう…」と悩むビジネスパーソンは少なくないはず。
上から与えられたミッションをこなしているのに、それでも給料が上がらない。会社に問題がある場合もありますが、もしかしら個人の能力に問題があるのかもしれません。
キングコング西野亮廣さんが配信している「西野亮廣エンタメ研究所Voicy」のなかに、その問題解決のヒントがありました。
「なんで私はこんなに働いているのに、給料が安いんだろう」と考えるのは間違い
まず僕たちが普段いただいている「給料」っていうものは何なのか?ということを定義をしなければなりません。
「給料ってなんですか?」という質問に対し、日本人の99.99%が「自分が提供した労働量に対する対価」「働いた分だけもらえるもの」と返すと思います。
でもそれは間違いです。
どういうことかというと、たとえばおにぎりを握ったとして、それを「お腹いっぱいのAさん」に売るのと、「お腹ペコペコのBさん」に売るのとではまったく価値が違いますよね。
Aさんにこのおにぎりを売るとしたら、多分50円くらいにしかなりません。
一方のBさんに売ったら、きっと500円くらいで買われます。
提供した労働力は一緒なのに、おにぎりの値段が違う。
これはどうしてなのかと言うと、提供している価値が違うからなんです。
この話からわかる通り、給料というのは「提供した“価値”への対価」なのです。
つまり、給料というのは労働時間に比例していない、ということなんです。
これを把握しておかないと、おそらく多くの人が「なんで私はこんなに働いているのに、給料が安いんだろう」という考えに陥ってしまう。
「山の上のジュース」はなぜ値段が高いのか?
また別の話をします。
給料は「価値」に支払われている、ということを理解すれば、「山の上で売られているジュースはどうして値段が高いのか?」という質問に対する答えも変わってきます。
山の上のジュースって180円だったり、200円だったりと、値段が高いですよね。
その理由は、「山の上にジュースを運ぶコストが高いから」と大抵の人は考えるでしょう。
たしかに、山の上にえっさほいさと運ぶのに人件費はかかっていそうですよね。だから山の上のジュースのコストが高いはずだと。
ただ、これも間違っています。
山の上までドローンで運べれば、人件費がなくなって山のジュースが安くなるかというと、やっぱり安くならないと思います。
何が値段を決めているのかというと、やっぱり「価値」なんです。山の上のジュースは、“価値”が高いんですよね。
地上みたいにコンビニも自販機もたくさんない。山の上に登るまでにお客さんは喉がカラカラになっている。
これらの理由で価値が高いから山の上のジュースの値段は高いんです。
クオリティと価格も比例しない
サンマは毎年値段が違います。
実は、値段が安い年のサンマっておいしいんですよ。その逆で、値段が高い年のサンマはおいしくないんです。
ここちょっと気持ちが悪いですよね。
値段が安い年のサンマはおいしくなくて、値段が高い年のサンマがおいしいなら、納得できます。
でもなんでこんな真逆のことが起こっているのかと言うと、値段が安い年ってサンマの餌となるプランクトンが海にたくさんいて、サンマをそれをたくさん食べてぶくぶく太っていく。
餌がたくさんあるから、サンマがたくさん育って、たくさん獲れる。だから一匹あたりの価格が安い。
一方で、値段が高い年というのは、サンマの餌になるプランクトンがあまり育ってなくて、サンマがやせ細って、数も少なくなってしまうんです。だから一匹あたりのサンマが高くなる。
ここで言いたいのは、クオリティと値段は比例関係にないということ。
つまり、おいしければ高い、ということではない。
これを理解しておかないと、「なんで私はハイクオリティのものを提供しているのに、給料が安いんだ」という考えに陥ってしまう。
結局のところ、もっとも給料に関係しているのは「希少価値」です。
ホリエモンの給料が高いのは、ホリエモンがひとりしかいないから。ホリエモンが100万人いたら、ホリエモンの給料は安いはずです。
だから給料を上げようと思ったら、希少人材にならないといけない。
たくさん働く、クオリティの高いものを提供するんだということに時間を割きすぎると、今後は路頭に迷うことになるかもしれません。
だから、まずは希少人材になること意識したうえで、ハイクオリティなものを提供することに注力したほうがいいと思います。
今日はこれを覚えておいてください。
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