予約も便利な時代…キャンセルも“気軽”に?

常習者はブラックリスト登録!? 飲食店を救う「ドタキャン救済サービス」が増加中!

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手軽に飲食店を予約できる「食べログ」や「ホットペッパー」などのサービスは、今やボクらにとって無くてはならないツール。だが、その“手軽さ”の裏返しで、いま問題になっているのが「飲食店のドタキャン問題」だ。アナタも「複数のお店を抑えたあとに、ついキャンセルするのを忘れてしまった…」なんて経験はないだろうか。

その時間に訪れた他の客を泣く泣く断ることになるだけでなく、仕入れた食材や人件費にも大きなロスが生じてしまうため、飲食店にとってドタキャンはかなりの死活問題。年間推定損失額は全国で2000億円にものぼるといわれているのだ。

そんな時代の変化にあわせて、最近ではさまざまな「ドタキャン救済サービス」が登場しているらしい。主にどんなサービスがあるのか紹介したい!

店同士で迷惑客の電話番号を共有。ドタキャン客のブラックリスト「予約キャンセルデータベース」

飲食店側からの、ドタキャンへの“反撃”ともいえる(※画像は「予約キャンセルデータベース」のスクリーンショット)
予約キャンセルデータベース」は、ドタキャン実績のある客の電話番号を店舗間で共有できるサイトで、「ドタキャンを未然に防ぐ」タイプのサービスだ。登録をすれば無料で利用でき、怪しい利用者の電話番号を検索できる仕組みになっている。店がドタキャン被害に遭った場合には、客の電話番号をデータベースに登録することも可能だ。

ドタキャンが発生した店舗に1万円を補償する「お見舞い金サービス」

iPadなどの端末で操作できる予約システムを提供するトレタ社(画像は「トレタ」公式サイトのスクリーンショット)
飲食店向け予約・顧客台帳サービスを提供するトレタ社が行っているのが「お見舞金サービス」だ。こちらは「ドタキャン被害の一部を補償する」タイプのサービス。

1万円以上の予約がドタキャンされた際に、トレタから店側に見舞金1万円が支払われる(年3回まで)という仕組み。さらに火災や食中毒など、店舗側の都合による予約キャンセルにも対応しているのだという。

もともと、飲食店向けに「予約台帳ツール」「顧客台帳ツール」「集計・分析ツール」などのをサービス展開しているトレタ社。そのツールを導入している飲食店のサポートとしてサービスをスタートした。

提携店舗のドタキャンが出たら空き枠を会員にLINEで通知する「ごひいき予約」

高級会席料理の「銀座 小十」。もし行けたらラッキーだけど、緊張しそう…(画像は「銀座 小十」公式サイトのスクリーンショット)
2017年8月24日から始まった「ダイナースクラブ ごひいき予約」も注目を集めている。

これははダイナースクラブカードを発行する三井住友トラストクラブが、飲食店のドタキャンが発生した時点で空席を買い取り、カード会員にLINEを通じて告知・再販するというもの。

開始時点での参加店舗は16店とまだ少なめだが、六本木にあるミシュラン三ツ星レストラン「龍吟」をはじめ、メディアでもよく取り上げられる銀座の名店「小十(こじゅう)」など、その顔ぶれはどれも予約困難な名店ばかり。会員になれば、普段なかなか利用できない店を訪れるチャンスが…!

もともと、急なキャンセルが発生した際にFacebookグループなどで連絡をするという運用をおこなっている店舗もあったが、この「ごひいき予約」はそれを提携店舗を束ねる形でサービス化したもの。来年には100店舗程度までの導入拡大を目指すという!

予約時にクレジット決済 or カード情報の入力をマストにする「キャンセルプロテクション」

海外では「予約=契約」という概念があるが、日本ではまだまだその意識が足りないという(画像は「KK VESPER」公式サイトのスクリーンショット)
ベスパーという企業が展開しているのは「キャンセルプロテクション」というサービス。これは、同社が提供する予約サービス「テーブルチェック クレジット決済」のなかの機能で、客が予約をする際に

・予約時に決済まで済ませる(コース料理、会費制などあらかじめ料金がわかっている場合)
・予約時にカード情報の入力が必須になる(料金が事前にはわからない場合)

のどちらかを選択するというもの。これであれば、“ドタキャンして知らん顔”という事態は発生しないハズだ。

店側には無料提供しているとのことで、同社はプレスリリースのなかで

「予約の無断キャンセルを撲滅するための本質的な解決策は、飲食業界の旧態依然の予約受付スタイルとなっている『事前決済をしなくても予約が成立する』慣習をなくし、ネット予約を主流としたカード決済型予約受付スタイルを広く普及させることであると考えました。(中略)飲食業界における予約の無断キャンセル撲滅に貢献してまいります」

とパワフルに宣言…! 10月20日には、導入店舗が200店舗を突破したと発表されている。

利用者の感覚とは裏腹に、飲食店にとってはまさに死活問題である「ドタキャン」。店側を救済するサービスが増えていることはわかったけど、そもそもボクらは気軽にドタキャンしないように気をつけましょうね。

〈文=池田麻友菜+新R25編集部〉