禁煙に失敗したら6万円払う!?

「非喫煙者には有休プラス」「禁煙したら3万円!」企業の禁煙制度いろいろ

  • 仕事・ビジネス
  • 2017.12.05
  • by 新R25編集部

職場でトラブルになりがちなのが、「喫煙者と非喫煙者が不公平」というもの。また、企業としても社員の健康のため、禁煙を推し進めたいという話もある。

これら「社内での喫煙問題」はどのように解決されていくのか…? 企業の経営上の課題解決を支援する、株式会社日本能率協会コンサルティングの田中さんに話を聞いた!

「非喫煙」なことで、「有給休暇」や「金銭」などインセンティブをくれる会社が登場中!

プレスリリース「新人事制度『スモ休』開始のお知らせ」より

8月には、ピアラ社というIT企業が「非喫煙者に有給休暇を与える」という制度を発表して、話題になった。制度の名前は「スモ休」非喫煙者に年間6日の有給休暇が与えられるんだとか…。こんな制度、ほかの会社でも増えてるんでしょうか?

「そうですね、最近増えつつあるのは、社員の健康増進を図る『健康経営』というムーブメントの一環として、禁煙も対象に含めた『ポイント換算制度』をつくっている会社です」

例えばSCSK株式会社が設けている制度では、「喫煙の有無」のほか、「どれぐらいウォーキングしているか?」「朝食をいつも食べているか?」などの健康的な習慣についてのチェック項目と、定期健康診断の結果をポイント化し、獲得したポイント数に応じて有給を数日付与したり、数千円程度の金銭的インセンティブを支給したりするという仕組みになっているという。

「禁煙プログラムがタダに」。喫煙者に対しては「禁煙」を後押しするための制度を作る会社も

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また一方で、社員が禁煙するための手助けをしてくれる会社も。

大手製薬会社のファイザーは、2007年から「就業時間内の全社禁煙」を実施し、社員の喫煙率を27%から14.8%に減少させていた。さらに2010年からは、同社が出している禁煙補助薬をつかった「禁煙プログラム」を受けた社員には、負担額2万円を全額支給することに!

このような取り組みを重ねた結果、2017年の社員の喫煙率は4.8%に。東京オリンピックまでには0%を目指すとのこと。

ちなみに下着メーカーのトリンプインターナショナルでは、今から15年も前の2002年に、「禁煙宣言」をした社員に3万円の報奨金を支払う制度があった。ただし、禁煙に失敗した場合には倍額の6万円を返納しなければならないうえ、当該社員の喫煙を密告(!)した者には協力金1万円が支払われたというから驚き…。

今問題になっているのは「タバコのニオイ」?今後はニオイに着目した制度が増えるかも

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最近では人の集まる駅やビルのそばには、このような喫煙所が設置されるケースが多い

田中さんは、今後は「タバコのニオイに着目した社内制度ができそうだ」とも話す。

「私がいろいろな企業を見ていて感じるのは、『喫煙者と非喫煙者のトラブル』は、不公平感や受動喫煙などの健康被害より、深層心理的にはその『ニオイ』が原因だということです。この10年で『ニオイビジネス』の市場規模は急成長していて、社会全体がニオイに対してかなり過敏になっています。企業内の喫煙者の問題がこれだけ取り上げられるようになったのは、その影響も大きいと考えます」

今後は、非喫煙者が、たとえばタバコを吸ってきた喫煙者のニオイを感じないような座席配置にしたり、ルールの徹底をしたりするなどの対策が増えそうだという。

インセンティブ制度にくわえ、ニオイをケアする様々な対策が施されれば、快適でトラブルのない社内空間になりそう!?

〈取材・文=森かおる(かくしごと)〉