「一方通行じゃないお金の使い方ができる人が増えるといいな」

きっかけは60歳のヒモおじさん。ジョーがホームレスを経験して学んだ「新しいお金の価値観」

経済・マネーby 新R25編集部

「ジョーブログ」というチャンネルで、旅動画や体を張った企画動画などをアップしている、YouTuberのジョーさん

チャンネル登録者数は約138万人、若い世代を中心に多くのファンがいる彼ですが、先日クラウドファンディングで立ち上げた、「インフルエンサーが集まり夢を叶えるバーを作りたい!!」というプロジェクトが大炎上。

どうやら、「お店を出したいなら、自分でお金を貯めるか借りるかしてやれ!」などといった、批判の声があがっているようです。

しかし、この炎上に対して、ジョーさんからみなさんに伝えたいことがあるんだとか。今回は、炎上の背景にくわえ、ジョーさんが考える「お金の価値観」を聞いてみました。

〈聞き手=ライター・森伽織〉

【ジョー】1991年大阪府生まれ。YouTubeチャンネル「ジョーブログ」を運営している。チャンネル登録者数は約138万人(12月26日現在)。2016年10月 南米縦断を達成。2018年10月に「インフルエンサーが集まるお店」クラウドファンディングを開始し、2000万円を集める

なぜクラウドファンディングで炎上したんですか?

ライター・森

ライター・森

ジョーさんのクラウドファンディングは、なぜ炎上してしまったのでしょう?

ジョーさん

ジョーさん

批判している人たちが、「クラウドファンディングとは何か?」ということを理解できていなかったんです

炎上しているコメントのほとんどが「人からお金をもらって店を作ろうなんて、楽をしていてズルイ!」と考えている人からでした。

ライター・森

ライター・森

う~ん。私もよくわかっていない1人なのですが、クラウドファンディングって寄付とは違うんですよね?

ジョーさん

ジョーさん

クラウドファンディングはいくつか種類があって、「寄付」するようなパターンもあるんですが、今回のボクのクラウドファンディングは「購入型」。

支援してもらったお金に対してリターンを用意していて、支援者はその「リターンをお金で購入している」という扱いなんですよ。

チケットの予約販売みたいなイメージですね。

ライター・森

ライター・森

なるほど…それならお金をもらって楽をしている、というのは筋違いですね。

今回のクラウドファンディングのリターンには、1000円で「お店のドリンクチケット×2」などがありました。

2000万円集めるには、1000円の商品を2万人に購入してもらわないとならないって考えるとかなり大変ですよね。

ジョーさん

ジョーさん

そうですね。バーを作るのには3000万円以上必要で、クラウドファンディングの目標設定額は2000万円。

実際には自腹で払う部分が多くなると思います。

ライター・森

ライター・森

クラウドファンディングだけではまかなえないんですね…

じゃあ、なんのためにやったんでしょうか?

ジョーさん

ジョーさん

クラウドファンディングは、ただの資金集めツールじゃないんですよ。

今回のクラウドファンディングの目的のひとつは、一緒にお店を作る仲間やお客さんを増やすことなんですよ。みんなでひとつの映画を作っているような感覚に近いですよね。

映画への協賛企業がたくさん集まっている。それに対して、「金を巻き上げている」って思わないじゃないですか。

ライター・森

ライター・森

なるほど。自分の店ではなく、みんなの店を作る…ということですね?

ジョーさん

ジョーさん

そうです!

未完成なところから店ができあがっていくストーリーを見せると、皆さんの応援を集めやすいんですよね。つまり、広告や宣伝の役割も果たしているんです

ボクからすると、地道に自己資金を貯めてからお店を作るのは、宣伝の機会を失ってしまうのでもったいないなあと思います。

60歳のヒモおじさんに出会って、自分もホームレスになってみた

ライター・森

ライター・森

ジョーさんは、そういった“お金の価値観“を、いつから持っているんですか?

ジョーさん

ジョーさん

ボク、20歳ぐらいのときにホームレス生活をしていた時期があったんですよ。

ライター・森

ライター・森

20歳ぐらいってまだYouTuberとして活動される前ですよね? どうしてそんなことを?

ジョーさん

ジョーさん

19歳のとき、バックパッカーとして日本一周の旅に出ました。その旅がめちゃくちゃ刺激的で、終わったあとにその経験の講演イベントを行ったんです。

そこで、60歳でヒモをやっているおじさんと知り合いました。

ライター・森

ライター・森

すごいおじさん…

ジョーさん

ジョーさん

そうでしょう。

彼はもともと何億と稼ぐ経営者だったんですが、「お金を稼ぐという行為で、社会の役に立つ限界を感じた」と話してくれたんです。

ライター・森

ライター・森

お金を稼ぐという行為で社会の役に立つ限界…どういう意味でしょうか?

ジョーさん

ジョーさん

ボクが思うに、「必要以上にお金を稼ごうと思うと、人のためにならないビジネスで稼ぐことになる」ということなんじゃないかなと。

たとえば、お医者さんがわざと患者を完治させずに、長く通院させて稼ぐみたいなやり方。

お金を稼ぐことだけ追求すると、「自分のための仕事=人のための仕事」というのが成り立たなくなってしまうことがあるんです。

ジョーさん

ジョーさん

それで、そのおじさんは「お金をたくさん持たなくても、必要とされる存在になれば自由に暮らせるんじゃないか」と仮説を持っていました。それがすごく魅力的に感じて。

ちょうどそのあとに岡田斗司夫さんの著書『評価経済社会』を読んだら、その価値観が言語化されていたんです。

ライター・森

ライター・森

人からの評価があれば、お金を持っていなくても暮らしていける…それが「評価経済」だったんですね。

ジョーさん

ジョーさん

そうです。「評価経済の時代がすぐそこまで来ている!」と思って、「お金を持たない究極のライフスタイル」であるホームレスを実践してみたくなったんですよ。

ライター・森

ライター・森

大胆ですね…

ホームレス時代は、どうやって生活していたんです?

ジョーさん

ジョーさん

当時はミクシィやツイッターを中心に、インターネットでホームレス生活の様子を発信していました。

はじめは知り合いが心配しておごってくれる程度だったんですが、だんだん僕に興味を持ってくれる人が増えて知らない人がどんどんおごってくれるようになったんです。

あとは、「ヘルプマン」活動というものを行ってましたね。

ライター・森

ライター・森

ヘルプマン?

ジョーさん

ジョーさん

ツイッターで何か依頼を受けて、そのお礼にお気持ちをもらうというものです。まあ「便利屋」みたいなものです。

当時のフォロワーは1万5000人くらいだったんですが、かなり多くの依頼が集まりました。

ライター・森

ライター・森

ジョーさんが20歳ぐらいということは、今から7年前ですよね。かなり時代を先駆けています…

では、その生活から学んだこととは?

ジョーさん

ジョーさん

お金を払わなくても、こちらが何かすればもらえるかもしれない」って思うようになったんです。

ボク、ホームレス時代に本を書きたくて、「ヘルプマン」で助けた人に「本を書きたいからパソコンください」って言ったらもらえました。

ライター・森

ライター・森

へええ…これまでの資本主義の考えとは違うように見えますね!

ジョーが考える新しいお金の流れ。自分が循環させるお金を増やしたい

ジョーさん

ジョーさん

ホームレスの経験があってか、ボクはお金持ちになりたいというより、自分が循環させるお金の量を増やしたいと思っているんですよ。

ライター・森

ライター・森

どういうことですか?

ジョーさん

ジョーさん

たとえば今回のクラウドファンディングで、たくさんの人がボクにお金を預けてくれました。

ボクはそれをワクワクする体験に変えて届ける。その応援者の期待に応えられたら、またお金を使ってくれる。

そんな循環ができれば、みんなの生活がもっと明るくなるんじゃないかなって思っていて。

お金って貯金していたら、何もできないじゃないですか。だから、一方通行じゃないお金の使い方ができる人が増えるといいなって思っています。

ライター・森

ライター・森

なるほど。ちなみにその価値観を受け入れられない人は、今後どうなっていくと思いますか?

ジョーさん

ジョーさん

多分知らない間に、評価経済をうまく利用している人に動かされる側になると思います。

でも、もしかしたら今後、その人たちでも興味が湧くような価値観が生まれるかもしれませんね。評価経済って、アイドルにお金を払う人がいたように、昔から存在していたものでしょ。

みんなが自己発信できる時代になって広まったのと同じように、この先また新しいきっかけで新しい価値観が広がっていくのかもしれません。

普段、なかなかまわりの知人とはできない「お金の話」。

大金を稼ぎながらもお金に執着しないジョーさんの価値観を、新鮮に感じた人もいるのではないでしょうか?

今年から社会人になった私は、ちょうどお金を使うことに対して、どこか恐怖心のようなものを覚えていたところでした。

今回のお話を機に、自分は何のためにお金を稼ぎたいのか、じっくり向き合ってみたいと思います。

〈取材・文=森伽織(@orca_tweet1)/編集=福田啄也(@fkd1111)/撮影=中山駿(@nk_shun)〉

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