オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

一年の締めくくりに大切な人へ贈り物を!

2009.12.17 THU


『折る、贈る。』 折形デザイン研究所/ラトルズ/2520円
ひと手間を加えた贈り物が二人の物語を豊かにする

ある女性が「プレゼントをもらったときの嬉しさには、それを選んでくれた時間も含まれている」と話してくれたことがあった。プレゼントそのものはお金を出せば買える。でも、贈る相手のことを考えてプレゼントを選ぶ時間に、値段はつけられない。
本書は10人の”贈る人”へのインタビューをまとめたものだ。デザイナーにパン屋さん、料理研究家など、仕事はバラバラ。各人が、贈りたい人物に、贈りたいものを贈る。”贈られる人”も十人十様。中には、芸術家のマルセル・デュシャンや茶道家の小堀遠州など、故人に贈る人もいる。
贈る人と贈られる人との間には唯一無二の物語があって、物語は”贈り物”というかたちへと結晶する。デザイン会社を運営する滝本玲子さんと、インハウスデザイナーの本好正宏さんの関係にはぐっと来た。もともと本好さんは、滝本さんのデザイン会社のアルバイト。親子ほども年が違う二人が、友人として長い月日つきあい、贈り物を贈り合う。「お金や手間をかけなくても、粋なことがさらりとできる人」と本好さんが滝本さんを評せば、滝本さんは滝本さんで「アルバイトの学生はいっぱい来てたんだけど、彼はその中でも抜群だった。センスもスキルも」と絶賛。いいなぁ、こういう関係って。
この本のもうひとつの仕掛けは「折形」という包みの作法。”贈る人”たちは、それぞれ自分の贈り物を、和紙を折って包む。自分の手で、心を込めて折る。そのひと手間は、二人の物語をより豊かにしてくれるに違いない。

  • 「贈与」から見える壮大な思想!?

    『愛と経済のロゴス』
    中沢新一/講談社選書メチエ/1575円

    人類の歴史を振り返って、「経済」を根底から考えた一冊。資本主義が誕生する以前にまでさかのぼり、交換や贈与という行為を捉え直そうとする試みはスリリングだ。志賀直哉の「小僧の神様」やボードレールの「贋金」を皮切りに論じられる、「愛」と「経済」のレクチャーを受ければ、何気なく恋人や友人にあげているプレゼントも違った目で見えてくるぞ。
  • 女子が喜びそうなものたっぷり

    『贈りもの歳時記』
    平松洋子/主婦の友社/1680円

    四季折々にマッチしたギフトは誰からも喜ばれるものだ。本書には精選された50以上の贈り物が素敵な写真とともに紹介されている。うちわ、ショコラ、爪楊枝…女子の心をわしづかみしそうな逸品ばかり。著者いわく「だいじなのは相手のがわに立って想像力をはたらかせること」。贈る相手の顔を思い浮かべながらページをめくれば、胸も弾むはず。
  • 奇跡のようなプレゼント

    『世界で一番の贈りもの』
    マイケル・モーパーゴ/評論社/1050円

    古びた机を見つけた「ぼく」は、それを買ってクリスマス・イヴに修理を始めた。すると中には一通の手紙があり、そこには第一次世界大戦の戦場で両軍の間に起きた奇跡のような出来事が綴られていた。愛する妻に向けて一人の兵士が書いた手紙を「ぼく」は持って──。思わぬかたちでの胸を打つプレゼント。この物語の温かさと優しさはあなたの心にもきっと届くだろう。
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一年の締めくくりに大切な人へ贈り物を!

※フリーマガジンR25 255号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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