不思議ビジネス案内所

第4回 樹木医の仕事現場に潜入してみた!

2009.12.25 FRI

不思議ビジネス案内所


千鳥ヶ淵のソメイヨシノに巻かれた“不定根誘導”用のカバー。13年前から治療が続けられているそうです。美濃又さんは樹木医の資格を取得して10年とのこと。木々を見つめるまなざしがとっても優しくて、まさに“お医者さん”でした。 【画像提供】NPO法人東京樹木医プロジェクト

街の樹木の強い味方。樹木医のお仕事に密着



前回は、樹木専門のお医者さん“樹木医”の資格についてご紹介しましたが、
実際にどんなふうに仕事をしているのでしょうか? 
今回は実際に樹木医さんと一緒に東京の街を歩いて、
樹木医さんのお仕事についてさらに詳しく教えてもらいました。

同行してくれたのは、樹木医さんたちが集まって東京の街の木々の健康を管理している「NPO法人東京樹木医プロジェクト」に参加している樹木医の美濃又哲男さん。

6年前から千代田区との協働で保護を続けている千鳥ヶ淵のソメイヨシノの健康状態をチェックしに行きました。東京屈指のお花見スポットの桜ですが…。

「千鳥ヶ淵のソメイヨシノは樹齢六十数年くらいですが、区が手厚く管理しているかいもあって、状態は良好です。ただ、保護が行われる前に傷つけられた根元や枝の切り口からキノコなどの菌が侵入して、幹の内部が腐敗してしまっているものがあります。そうした木については、“不定根誘導”といって、腐った幹の中に新たに生まれた若い根を保護する治療をしています。その結果、新しい根から木全体へ養分が行きわたり、衰弱していた木から新しい枝が伸びています」(美濃又哲男さん) 木の幹に包帯のようにグルグル巻かれたカバーは、幹の中から生まれた新しい根をしっかり根づかせるよう固定するための、“ギプス”のような役割をするんですね~。都心の桜にはほかにどんな病気があるんでしょう?

「都心は排ガスなどで空気が汚れていますから、小さなチリなどが木の葉に付着して光合成を妨げることがあります。千鳥ヶ淵でいえば、高速トンネルの出口付近にある桜は元気がなさそうに見えますね。また、たまに街路樹の根が歩道まで張り出している様子を見かけることがありませんか? あれは植え込みの面積が狭くて、木が根を張るスペースが足りないということなんですよ」

たしかに。根っこが邪魔だな~って思うことがあります…。

「例えば、地下鉄が走っているような通りでは、工事の影響で地中深くに根を張れませんので、木も仕方なく地上に根を張ろうとしているのです。“通行の邪魔”ということで根が切られてしまうと、そこからまた菌が侵入して病気の原因になることもありますから。街と木々が上手に付き合っていけるように、保護・管理をしていくことが今後ますます大切になってくると思います。」

都心で生きる木は大変なんですね。そんなこと、今日まで全く気がつきませんでした。
千鳥ヶ淵を歩くと、ソメイヨシノにカバーがかけてあったり、お堀にせり出した枝を支えるための補助器具がつけてあったり、あちこちに樹木医さんたちの治療のあとを見ることができます。私たちの知らないところで、一生懸命木々を守ってくれていたのですね。
来年の春には、樹木医さんたちの努力に感謝しながらお花見をしたいと思います! 気になる仕事、珍しい職業をご存じでしたら、右下の投稿ボタンを押して投稿してください!

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